子育ての難題 与える側の難しさ

子育てをしていると難題にぶつかります。

私の子はまだ5歳と2歳なので、友人関係のトラブルなどの難題はまだありません。

それに比べると易しいかなとは思うのですが、頭を悩ませることが多々あります。

例えば「どのレベルで叱るか」とか、「子供がやりたがっていることをどれくらい叶えてあげるか」といったことです。

子供をしつけるときは、感情で怒ってはいけないというのはわかります。

例えば、おもちゃを片付けない子に対して、昨日は自分の機嫌が良かったからスルーしたけれど、今日は自分の機嫌が悪いせいで子を許すことができなく怒ってしまう、といったのは駄目です。

子供は「親の機嫌次第」と学んでしまい、親の機嫌ばかり気にする子になってしまいます。

叱るときは、「おもちゃを片付けないという行為を叱る」というように、自分の感情や機嫌で対応を変えることなく、事実によって対応するべきだと心得ています。

ということで、そこはクリアできても、今度は「どのレベルまで許容するか」ということに悩まされます。

基準を作るのが難しいのです。

おもちゃが大量に散らかっていても「今日はやることないし時間もたっぷりあるから、のんびり片付ければいいよ」という日もあれば、

おもちゃが数個しか散らかってなくても、あと5分で出かけないといけない日もあります。

散らかっているおもちゃの量で判断するのも難しいのです。

かといって「こういう日はOKで、こういう日はNG」とするのも、事前に決めるのは難しいでしょう。

また、基準を作れたとしても、それを超えたら必ず叱るかというとそうでもないでしょう。

例えば子供が鉛筆を正しく持てなかったとしても、それを毎回指摘するのは賢明ではありません。

あまり画一的にやりすぎると、子供のやる気を削いでしまいます。

そのうち、子供は鉛筆を持つことを避けるようになってしまうでしょう。

そういう場合は多少目をつぶって、スルーすることも大切です。

この加減が難しいのです。

また「子供がやりたいと言ったことに対し、どれだけ応えるか」という難題もあります。

例えば子供が「習字をやりたい」「スイミングをやりたい」「空手をやりたい」「サッカーをやりたい」「野球をやりたい」「そろばんをやりたい」と言ったとしましょう。

すべてを叶えるのは物理的にも無理です。

親としては「やりたいと言ったことはとりあえずやらせてあげたい」と思います。

実際にやってみないと、本当にハマるかどうかがわかりません。

「いろいろ手を出してみて、本当に自分に合うものは自然に残る」と私は思っています。

芸は身を助くと言いますが、その芸も、最初の一歩は親がサポートしてあげないといけません。

「サッカーをやりたい」と子供が言っても、親がそこに連れて行かなければ子供はやがて諦め、サッカーの道に進もうとは思わなくなるでしょう。

子供が自分で「サッカーはやっぱり自分に合わないな。野球をやってみようかな」と思ってサッカーを辞めるのは構いません。

でも、やらせないまま子供がサッカーへの興味を持たないで過ごしてしまうのは、なんだか申し訳なく思うのです。

なので、いろいろチャレンジさせたいのが親心としてはあります。

しかし、現実的には「そんなにチャレンジされても困る」という場面が多々あります。

こんなときに「子供のやりたい気持ちを優先させるべきか、否か」という難題が生まれます。

「おもちゃがほしい」「ぬいぐるみもほしい」「遊園地に行きたい」「動物園にも行きたい」

そんな願望をすべて聞き入れることが、親として正しい行為なのかどうか……。

望めば手に入ると思う人間になってしまいそうなので、良くない気もします。

でも、望めば手に入ると思って生きていたほうが幸せな気もします。

子供の願望にどれくらい応えてあげるべきか。

与える側の難しさ。

子供が「塾に行きたい」と言ったら行かせようとする親は多いでしょう。

逆に「塾を辞めたい」と言ったらどうでしょう。

やがて子供が大きくなって「この人と結婚したい」と言ったら、子供の好きにさせる親は多いでしょう。

すぐあとに「やっぱりもう離婚したい」と言ったらどうでしょう。

子供が口にしたセリフを全肯定することが良いことではないような気がします。

子供には見えない世界が、親には見えています。

子供は「自分がやりたいか、やりたくないか」で判断しているとき、親は「物理的に(他の習い事とかぶったりせずに)やらせてあげられるか、経済的にやらせてあげられるか」など、いろんな背景も考えて判断しています。

いろいろ考えると、子供が口にしたことを全部オッケー出すよりも、少しハードルを高くして、本当にそれがやりたいかの気持ちの測定をしたほうがいいんじゃないかと思います。

子供がやりたいと言ったら、やらせてあげたくなるのが親の心情。

でも、だからといって、全肯定ばかりもしていられない。

子育てしていく上で、この難題はずっと続いていくのでしょうね。

「Lilyに入りたい」と口走る中学生がいたとして「その気持ちは本当か?本当ならばこの試練を乗り越えよ」と言って課題を与え、それを無事こなして、本気度を示した中学生だけ入れる塾っていうのもありかもしれませんね。

子供の「行きたい」という言葉だけでは簡単に決めない、というのも一つの正解だと思います。

ほしいと思ってもその場で買わず、一日経ってから考えて、それでも欲しかったら買う。

こんな感じで一度冷静になる時間を設けることもいいですね。

子供にやらせたいことややらせたくないことはたくさんあれど、それらをどうすべきか……この難題はまだまだ続きます。

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この記事を書いた人

学習塾Lilyの講師。筑西市出身。
「いかにわかりやすく教えるか」を追求することを好むが、教えすぎない指導を心がけている。

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