「隣で大笑いされると冷めちゃうから、私はお笑いライブとか苦手なんだよね」
以前、付き合っていた彼女がそう言っていたのを覚えています。
私は周りが笑っていた方が自分も釣られて笑ってしますけれど。
でも、その彼女が言ったこともわかります。
例えば、自分がスネ夫にバカにされていじめられたとしましょう。
そのとき周りに誰もいなければ、自分がスネ夫に対して怒り、やり返します。
でも、その時、自分のそばにジャイアンがいたとして、自分が怒るよりも先にジャイアンが怒り狂って「なんだとスネ夫!ぶん殴ってやる!!」と今にも殴りかかりそうになったら、自分はジャイアンをなだめる役になるでしょう。
怒るべきは自分でも、自分以上に怒る隣人がいたら、自分はヒートアップせずに、逆になだめる側に回ってしまうのです。
自分とジャイアン、二人揃って怒りまくってスネ夫をぼこぼこにするなんていうのは、滅多に起こらないのです。
さて、この話、中学生がいる家庭にも心当たりがある場合が多いのではないのでしょうか。
テストで目も当てられないよな点数をとったとします。
本人にとって、大きなショックです。
でも、それ以上に親がショックを受けてしまうと、本人は「まあまあ、次は頑張るから」となだめる側になってしまい、ショックが和らいでしまいます。
受けたショックが和らがなければ奮起したかもしれません。
でも、ショックが和らいでしまうと、奮起する意欲も減ってしまいます。
原因は、隣でショックを受けすぎたから、です。
とはいえ、逆の反応もあるので、難しいです。
逆って?
本人がショックを受けて、親が「まあ、次頑張ればいいよ」と、大したことではないといった雰囲気を出すことにより、本人も「まあ、あんまり怒られなかったし、いいか」となってしまうパターンです。
この辺はどっちに転ぶかは中学生次第です。
その子の性格もあるし、タイミングもあるので、どちらの反応をすべきかは判断しかねます。
ただ、私の直感では「本人より周りがショックを受けすぎる」ことで、本人の感情が小さくなってしまうことが多いと思います。
学校の順位が前回より下がってしまった。
このとき、本人は悔しいでしょうけれど、それ以上に周りが悔しがってしまうと、本人の悔しさは減ってしまうというパターンの方が多いと思うのです。
でも逆に、学校の順位が前回より大幅に上がった場合は、本人以上に周りが嬉しがったとしても、本人の嬉しさは減らない気がします。
むしろ本人の嬉しさは倍増するでしょう。
「悪い結果は、本人以上にショックを受けたり悔しがったりしない。
良い結果は、本人以上に喜ぶ」
これが、その後の本人の良い行動につながる。
というのが私の思うところです。
子供の成績に一喜一憂してしまう親御さんがいたら、自分がどんな反応をしているか一度見直してみてください。