今日は中2Aクラスの集団授業でした。
中学英語ではあんまり気にしないwillとbe going toの説明など、雑学的な話をしました。
まずはcanの話。
助動詞canは動詞に「~できる」という意味を付け足します。
You swim. あなたは泳ぐ。
You can swim. あなたは泳ぐことができる。
ではこれを疑問文にすると……
Can you swim? あなたは泳ぐことができますか?
ですね。
まあ、これといって特筆すべきことはない文章です。
しかし、これならどうでしょう。
Can you pass me the salt?
これを直訳するのであれば「あなたは私に塩を手渡すことができますか?」となります。
まあ、これでも意味は伝わると思いますが、英作文の例文では別の日本語が割り当てられます。
「塩を取ってくれませんか?」になるのです。
でも、これは日本語も似たような使い方をしますよね。
「その塩、取ってもらえる?」
この中にはcanの意味も含まれています。
「その塩、取ることができる?」と言った具合に。
そう言われた人が「うん、できるよ」と答えるとおかしいですよね。
「いやいやいや、できるかどうかを聞いたんじゃなくて、塩を取ってってことだよ」とツッコミたくなるはずです。
「~できる?」と聞いておきながら、疑問文じゃないのです。
この感覚が分かる人になら「Can you pass me the salt?」を「その塩を私にパスできますか?」と訳したとしても、「(あ、塩を取ってってことだな……)はい、どうぞ」と渡すことができます。
しかし、文字通り受け取ってしまう人は「Yes, I can.」と答えるだけで、何もしないでしょう。
そんな人いる?
いるでしょ、オイラの目の前に
ぎく
そういう事態に陥らないように、Can you pass me the salt?って言うのは、形は疑問文だけど実際は『その塩とって』というお願いだから、それで覚えてねってことなんじゃないかなと思います。
Good morningを『良い朝』と訳さずに『おはよう』と訳すようなもんか
そういうこと
でも画一的な意味にとらわれると「Can you do 30 push-ups?(腕立て伏せを30回できる?)」という意味で聞いているのに「腕立て伏せを30回やってくれませんか?」と受け取って、「Yes, I can.」と答えればいいところを、いきなり腕立て伏せを始めるなんていう人もいるかもしれませんね。
日本語でもそういう勘違いはありそうですよね。
「腕立て伏せ30回できますか?」
「よし、見てろ。1,2,3……」
「(できるかどうか聞いただけなのに……)」
という感じ。
ありそう
こういうところも似ているなぁと思います。
言語というより人間の本質なんでしょうかね。
相手が”単純な質問”なのか”してくれない?というお願い”なのかは、相手の頭の中でしかわかりません。
なので、勘違いして逆のことを答えてしまうことだってあるでしょう。
でも、その「逆のことを答えてしまう」ことを恐れてしまうと「……(質問なのか、お願いなのか、どっちの意味で言っているんだ……?……)」となってしまい、何も言えなくなってしまいます。
ここは一つ、間違えることを恐れず答えちゃいましょう。
日常は入学試験と違うのです。
正しい答えは一つではありませんし、間違っていたとしてもいくらでも挽回できます。
上手くなくてもいいし
シャロン / 『宇宙兄弟』
間違ってもいいのよ ムッタ
まずは音を出して
音を出さなきゃ
音楽は始まらないのよ
授業中に話したことをいろいろ書こうと思ったのですが、続きはまた今度。
思い出したときに