思い出すだけでもいい

今日の中3の集団授業で勉強法や勉強体力について話をしました。

勉強法と言っても目新しいものではなく「インプットよりアウトプットを」という話です。

覚えるには必ずアウトプットが必要。

「そんなのわかってるよ」と言われそうですが、そのわかっていることを徹底できているかと言われると、そんなことはありません。

ということで、何度もアウトプットの話をしています。

インプットは「頭に入れる」ということですが、それにはどういうのがあるかというと

「見る」
「聞く」
「読む」

です。

新しい知識を得ようとしたとき、最初にするのがこれらですね。

でも、覚えようとすると、これだけでは厳しいです。

覚えるためにするのがアウトプット。

それは

「言う、発音する」
「書く、解く」

です。

文字通り、外に出す行為ですね。

アウトプットすると、周りの人にも「あ、ちゃんと覚えてるんだな」とわかります。

インプットだけだと、本当に覚えているのかどうかわからりませんからね。

頭の中は見えませんし、脳を見たとしても覚えているかなんてわかりません。

「本気で覚えようと思うなら、アウトプットするはず」と話をしました。

例えば今ここに30個の英単語が並んでいて、それを5分で覚えなさいと言われたら、多くの人は何度も言ったり書いたりするはずです。

友人Y

俺なら書くね

目で見て、読んでいるだけで暗記する人に出会ったことがありません。

30個の英単語を眺めているだけでは、覚えるのが難しいということでしょう。

紙に書かなくても、手を動かして空気に書いたりする人もいるでしょうけれど、それもアウトプットです。

覚えようとすると全員がアウトプットをするのを見ると、やはり「覚えるのに必要なのはアウトプット」ということがわかっているようです。

ちなみに「思い出す」のもアウトプットです。

実際に、外に出ているかと言われると微妙ですが、脳の中から出すという点では紛れもなくアウトプットです。

実はこの思い出すという動作、暗記に非常に有効です。

もちろん「書く」や「言う」をするときは必ず「思い出す」もやっているはずです。

思い出して頭の中に浮かべてからじゃないと、書いたり言ったりできませんからね。

でも、電車の中にいるときなど書いたり言ったりできない時でも「思い出す」だけで、定着率が格段に違うのです。

「思い出す」は非常に有効な勉強方法です。

ペンや紙がないときでも、シャワーを浴びているときでも、「どんなときでもできる」というのがものすごい利点です。

人には忘れられない記憶というものがありますが、忘れられない原因は「何度も思い出しているから」です。

(他にも「強い感情が伴う」ことでも記憶に残りますが、話が逸れるのであちらに置いておきます)

思い出すだけで、忘れられなくなるのです。

デメリットももちろんあります。

「見えないこと」です。

「私、今思い出してるんだけど」と言われたところで、見えません。

なので「思い出す勉強法を実践している」と言われたところで、本当にそれをしているかどうかがわかりません。

その辺が弱点です。

最終的には、覚えたかどうかはテストをしてみないとわからない、ということです。

土曜日に授業を受けて、内容を一度も思い出さずに次の土曜日を迎えたとしましょう。

「先週の土曜日、何をやったっけ?」と聞かれて「あれ……なんだっけ……?」となるでしょう。

水曜日あたりに一度「この前の土曜日、英語のUnit2をやったな。接続詞4つ……なんだっけ。あ、when, if, that, becauseだ」なんて思い出しておけば、土曜日になって「先週は何をやった?」という質問に答えられるでしょう。

これらは勉強に限ったことではありません。

「思い出す」をしていることは覚えていて、していないことは忘れているのは大人も同じ。

うちは1人目の子は3歳5ヶ月でオムツが取れました。

なんで覚えているかというと、2人目がそろそろオムツが取れる時期なので「1人目のときはどうだったっけ?」と思い出すことが度々あったからです。

でも、そうしていないことは忘れています。

というか、忘れていることさえ忘れているでしょう。

忘れているということに気づけてないのです。

忙しさに追われ、目の前のことを次から次へと処理していくだけで、思い出す作業をしていないなんてことはざらにあります。

というか、そういうのばっかりです。

そしてどんどん忘れていってしまうのです。

大抵のことは忘れてもいいことなので、忘れても問題ありません。

でも、忘れたくないことは、思い出す必要があります。

思い出す作業、意識的にしてみてください。

ただ、あくまでそれば「勉強道具が揃っていないとき」の話であって、もし目の前に紙とペンがあるのなら、それを利用したほうが効率的です。

覚えるときは「思い出して言いながら書く」というアウトプットをたくさん使うのが一番です。

実践してみてくださいね。

長くなったので、勉強体力についてはまた今度。

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この記事を書いた人

学習塾Lilyの講師。筑西市出身。
「いかにわかりやすく教えるか」を追求することを好むが、教えすぎない指導を心がけている。

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