ここに120kgの砂があります。
それを袋に入れて100m先まで全て運びます。
こんな仕事があったとして。
力持ちのA君は1回で30kg運ぶことができます。
かたや、10kgを持つのが精一杯のB君がいます。
A君は4回で運び終えます。
B君は12回で運び終えます。
その差は3倍。
でも、現実にかかる時間は3倍どころじゃありません。
A君は30kgを持てる上に、1往復するのも2分でできます。
B君は10kgしか持てない上に、1往復するのに4分かかってしまうのです。
A君は計算上、8分でこの仕事を終えられます。
B君は計算上、48分かかってしまいます。
そしてA君はB君を待っている40分でさらに体を鍛えて、どんどんマッチョになっていき、そのうち50kgを持てるようになったり、1分で往復できるようになってたりします。
こうやって得意な人は、得意な分野でどんどん先に行ってしまうのです。
1年後、5年後、10年後……
苦手な人との差は天と地ほど開きます。
童話の「ウサギとカメ」では、コツコツ地道に努力するカメが、調子に乗って途中でさぼるウサギに勝ちますが、現実ではそう簡単にはいきません。
B君が進むべき道は「この仕事ができるようになるように努力する」か「この仕事ではない、自分に合った仕事を見つける」でしょう。
他にちょうど良い仕事があれば良いのですが、仕事はこれしかない場合はどうしましょう。
嘆いても始まりません。
高校入試は「各々の生徒がどんな能力を持っていようがいまいが、筆記試験でできるだけ得点をとりなさい」という試験ですからね。
学生「勉強が苦手な子に対しての配慮はなにかないのですか?」
入試「ありません」
こんな感じです。
入試に合わせるしかありません。
暗記が苦手だろうが、文章題が解けなかろうが、全員が入試の筆記試験をやらないといけないのです。
となると、B君に残された道は「やるしかない」です。
A君との差を埋めたければ、A君が休んだり遊んでいる間にやるしかありません。
しかも、やっても差を埋められないどころか、休みながら遊びながらやっているA君に差をつけられる確率もそれなりにあります。
それでもなお「やる!」という選択肢を選べるかどうか。
最後は気力にかかってきます。
偏差値65以上の高校となると、いくら気力があっても、それまでの差がものを言います。
でも、偏差値60程度までなら、能力差なんて関係ありません。
本気で行きたいと思えば行けるものです。
あくまで本気で、ですよ?
本気というのは「勉強かスマホ、どっちをとる?」と尋ねられて、迷わず「勉強」と言えるってことですよ?
読みたい漫画も、見たいテレビも、友達との遊びも、なくてもいいから行きたいと思えるくらいであれば、行けます。
でも、そこまで聞くとたいていの子は「うーーん……そこまでして行きたいかと言われると……」となってしまうのです。
そこで勉強に振り切れるくらいの本気度があれば、偏差値60の高校は行けます。
問われているのは自分の本気度。
言い訳せずに進めるかどうか。
A君もB君も頑張れ!
本気度が高いとモテるというおまけつき