「成績を上げるにはどうすればいい?」
そう聞かれたら、答えは一つです。
「頑張ればいい。」
質問者からすれば「いやいやそんなことを聞いているんじゃなくて……。もっと具体的に、どういうことをすれば成績があがるのかを知りたい」と言いたくなるかもしれません。
でも、もっと具体的な答えを知りたいのなら、質問も具体的にすべきなのです。
「英語の成績を上げるために英単語帳を一冊暗記しようと思うのですが、この方法で良いと思いますか?」
これなら「それよりも学校のワークを3周したほうがいい」とか「英単語帳の暗記の仕方はこうしたほうが効率的」とか、先程の質問より具体的に答えが返ってくるでしょう。
なんでそうなるのか。
だって「抽象的な質問には抽象的な答えを、具体的な質問には具体的な答えを」というのが最も良い返答だからです。
もし「どうやったら英語の成績を上げられますか?」という抽象的な質問に対して、具体的に
「まず、英単語を覚えること。それも一日10個ずつじゃなくて、一日100個を10日かけて習得する。そして次に……」
と答えたとしましょう。
そうすると質問者は「そんなこと聞きたいんじゃない」と言って耳を塞ぐでしょう?
逆に具体的に質問したのに、抽象的な答えしか返ってこなかったら、それも納得できないと思います。
思ったような答えが返ってこない場合、相手の返答能力が低いのが原因ではなく、たいていは質問者の質問能力が低いのが原因です。
この質問能力は、社会においてもとっても役に立つ能力です。
上司や先輩に何かを聞くときに質問能力が高い人は重宝され、その後の出世も早いでしょう。
質問力を高めるには「相手が知っていることと知らないことを推測する」などの技術も必要です。
例えばいきなり「AがBのカッターを取ったんだけど、どう思う?」と聞かれても、状況を全く知らない人にとっては「人のものを取ったら良くないよね」くらいしか答えられません。
でも「Bはカッターを振り回して危ないという苦情が多いから、AがこっそりBのカッターを取った」としたら、先程の返答とは違ってくるでしょう。
なので、その状況を知らない人に質問したい場合は、状況の説明から入りそして「どう思う?」と聞かなければ的を射た返答はもらえないでしょう。
なんでもかんでも質問すれば自分の求めた返答があると考えてしまうことが良くないです。
そういう質問の仕方の癖がついている人は、今から直しましょう。
自分の欲しい返答がもらえないと言って嘆くのではなく、まずは自分の質問力を磨きましょう。