現在完了形

幼稚園児に母親が「お片付けした?」と聞きます。

園児は「したよ!」とか「今、し終わったところ!」と答えます。

さて、この2つの表現、違いは何?と聞かれたら答えられますか?

A「私は毎日、勉強します」

B「私は今、勉強しています」

C「私は昨日、勉強しました」

D「私は昨日の7時に、勉強していました」

E「私は3年前から、ずっと勉強しています」

日本語で言われてみると、特に難しいことはなく、日常会話として普通にある表現です。

友人Y

日常ではそんな堅く言わないけどね

普段何気なく使っているだけに「AとBはどう違うの?」と聞かれると言葉に詰まってしまいますよね。

友人Y

なんか違うじゃん

SHIMIZU

なんかって?具体的にはどう?

友人Y

なんかはなんか

日本人であれば特に難しいことも考えることなく使い分けるこの5つ。

英語にすると全て別の文法(時制)になります。

A「私は毎日、勉強します」は習慣的に勉強することを表す「現在形」

I study every day.

友人Y

現在形じゃなくて普段形とか習慣形と名付けてほしかったな

SHIMIZU

でもそうすると「彼は学生です」みたいな文のときは、どちらも当てはまらなくて困るんだよねー

B「私は今、勉強しています」は今この瞬間勉強するという動作をしていることを表現する「現在進行形」
I am studying.

SHIMIZU

厳密に言うと、この瞬間していなくても、その動作が継続中であれば現在進行形なんだけどね

友人Y

中学でそういうこと習う?

SHIMIZU

習わない。だからそこは無視ししてOK

C「私は昨日、勉強しました」は昨日勉強したという事実を述べているだけの「過去形」

I studied yesterday.

D「私は昨日の7時に、勉強していました」はその瞬間勉強していたという、そのときの動作を表す「過去進行形」。

I was studying at seven yesterday.

SHIMIZU

Bの現在進行形のbe動詞を過去形のものに換えただけだね。

そして最後はE「私は3年前から、ずっと勉強しています」。

これは3年前に始まった勉強するという動作が今も継続していることを表している「現在完了形」。

I have studied since three years ago.

ということで

A「私は毎日、勉強します」 現在形

B「私は今、勉強しています」 現在進行形

C「私は昨日、勉強しました」 過去形

D「私は昨日の7時に、勉強していました」 過去進行形

E「私は3年前から、ずっと勉強しています」 現在完了形

です。

現在完了形は8年生(中2)の最後か9年生(中3)の最初に習います。

が、全然難しくありません。

英語を母国語とする人なら小学生になる前に現在完了形を使いこなしているでしょう。

日本語で考えてみればわかります。

冒頭の話に

幼稚園児に母親が「お片付けした?」と聞きます。

園児は「したよ!」とか「今、し終わったところ!」と答えます。

この「したよ!」は過去形で、「今、し終わったところ!」は現在完了形です。

この2つの違いは何かと聞かれると、うまく答えられないと思いますが、ちゃんと使い分けてますよね。

ちなみに過去形の「したよ!」は、今より前の時間に片付けをしたということ。

ただ、いつしたのかはわかりません。

したという事実だけがわかります。

「片付けをしたという事実」があるだけです。

対して、現在完了形の「今、したところ!」は、ちょうど今片付け終わったということがわかります。

ちょっと前から始まって「片付けなさい」と言われたその時にちょうど終わった状態ですね。

こうやって考えると、中学生と親がよくやる

「勉強しなさい!」「今、しようと思ってたところ!あーあー、しようと思ってたのに、そう言われたからやる気なくしたー」というやつ。

よく考えてみたらあれも現在完了形ですね。

「しようと思っていたところ」というあたりが。

これがもし過去形で「しようと思ってたよ」だと、もう今はしようと思ってないし、なんか諦めが入っている感じがしますね。

こういう微妙なニュアンスを表現できるようになったのは現在完了形という単元を学習したからです。

体系的に学ぶなら、現在形や過去形を習って、その違いを比較しながら学ぶのが一番です。

ということで、9年生の最初に習うわけですけれど……。

さっきも言ったように、この表現は日常でよく使っているものです。

ですので、とっても簡単です。

英語で難しいと感じるのはきっと現在完了形を作るための「have+過去分詞」の過去分詞を覚えていないせいでしょう。

文法自体は難しくないのに、単語を知らないだけで難しいと感じてしまう。

これは非常にもったいないことです。

そうならないためにも、9年生は不規則変化動詞の過去分詞まで覚えちゃいましょう。

130個くらいですから、楽勝ですよ。

友人Y

うへー

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この記事を書いた人

学習塾Lilyの講師。筑西市出身。
「いかにわかりやすく教えるか」を追求することを好むが、教えすぎない指導を心がけている。

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