昨日に続いてYさんの話です。
Yさんは今日もLilyで勉強していました。
21時20分、授業終了です。
でも、Yさんは勉強道具を片付ける素振りがありません。
見てみると合同式でわからないところがあるようです。
ちなみに合同式は高1の最後で習います。
そこで、合同式とユーグリットの互除法について教えました。
ちなみにこの2つは「そんなの覚えてない。初めて聞いた」という保護者の方も多いかと思います。
でも安心してください。
合同式やユーグリットの互除法は、私世代は学校で習っていません。
覚えてなくて当然なのです。
あやうく「知ってる」と知ったかぶりするところだった
学習指導要領が時代によってちょこちょこ変わるのです。
合同式というのを簡単に説明してみます。
a,b を整数,mを正の整数とする。
「a を m で割った余り」と「b を m で割った余り」が等しいことを
$$a\equiv b\space(mod\space m)$$
と表す。この式を合同式といい,「a 合同 b モッド m」と読む。
こんなふうに言われてもわけがわかりませんよね。
具体的な数字で考えてみましょう。
2つの整数「13」と「28」があります。これは5を法として合同です。
5を法として合同の意味がわからん
噛み砕いて言うと、「13も28も5で割ったときの余りが同じ」ということ。
余りはどちらも3だから?
そういうこと
これを$$13\equiv 18$$と表します。
ほーん
面白いことに13は8とも合同です。5を法とすれば。
じゃあ、3とも合同?
合同です。
3を5で割ると、0余り「3」だからね
余りの数に着目するので、18も13も8も3も、5を法とすれば合同なのです。
簡単な言葉でいうと
18も13も8も3も、5で割れば余りは同じってことです。
最初からそう言えばいいのに
数学ってわざわざ難しい言い回しするよねー
そしてこの合同式を使うと何が良いかというと……
「5で割ると余りが3になる数」を簡単に表現できるようになるのです。
$$x\equiv 3\space(mod\space5)$$
5で割ると余りが3になる数を具体的に書いてみると3,8,13,18,23,28,…と延々と書かなきゃいけませんし、そもそも永遠に書き終わらないので、具体例をあげ続けるのは不可能なのです。
それがたった1行の数式で表現できるのです。
でもさ、5n+3で良くない?
ぎくっ
そうなんです。
「5で割ると3余る数」というのは、「5の倍数より3大きい数」と言い換えられ、5n+3と表せちゃうんです。
じゃ、合同式意味ないじゃん
だからまた削られちゃったのかも
実は合同式は学習指導要領外ということで、まあ習わなくても問題ないということです。
本当に意味を見いだせない単元だね
でもこんなときに便利っていう場面があります。
$$15^{100}$$を7で割ったときの余りは?
こんなときに合同式を使うと簡単に答えが出せるのです。
なんでそんな数の余りを出そうとするのかね……
15の100乗なんて日常では絶対に使わないし、なんで商よりも余りを気にしているんだよ!と、ツッコミたい気持ちもわかります。
というか、私もそうツッコミましたし。
同じことをYさんも思っていたらしく、この単元の存在意義がわからないという話で盛り上がりました。
「数学の質問をしているので、帰りは遅くなります」とYさんのお母様にLINEを入れておいて良かったです。
終わったのは22時をちょっと過ぎてからでした。
その後お母様から
遅くまでお付き合いいただきありがとうございましたm(_ _)m
楽しかったーと言って帰ってきました(^^)
というLINEをいただきました。
勉強の感想が楽しいっていうのは凄いですね。
まあ、実際こっちも楽しかったけど
Yさんはこのまま進んでいきそうですね(^^)