今日は日曜日。
過去問演習講座でした。
過去問をやるにしても、ただやらせるだけではモチベーションもあがりません。
どんな目的があるのか、これをこなすとどんな力がつくのか、といったことを事前に伝えるようにしています。
この辺はトレーニングと同じですね。
ただ走れと言われて校庭を何周も走らされても、不満が募るだけ。
走る目的やその先身につく力を伝え、選手側が意味を見出してこそ、走ることが有意義になります。
ということで、入試問題についての話をしたのですが、難しいのが「結局、過去問は使えない」という話になってしまうことです。
茨城県の公立高校入試は今までずーっと同じ形式の問題でした。
10年、20年ずっと一緒。
それがだんだん難化してきて、2020年度の入試では数学で計算問題がなくなりました。
それまでは計算問題だけで20点、その後の一文問題だけで20点、合わせて40点はかたいテストだったのが、それが一切なくなりました。
わらをもすがる受験生のわらになるべき問題がなくなっていたのです。
背景は「問うのは知識より思考力」という風潮です。
知識を溜め込んでもコンピューターには勝てませんし、スマホで調べることが容易な時代に、必要以上に頭に知識を詰め込む必要がなくなった時代です。
人間ならではの「思考」に向かうのは当然かもしれません。
そして2020年、2021年と思考を問う問題が増え、記述式の回答が増えました。
しかし、そこで一長一短の「短」がでてしまいました。
採点ミスが起こったのです。
高校入試はその生徒の一生を決めかねない大きなイベントです。
ミスはあってはなりません。
しかし、ミスはつきもので、記述問題となるとどうしても採点にブレがでてしまいます。
起こるべくして起こったこのミスに、茨城県は即座に対応します。
2022年度の入試問題はほぼ選択問題になりました。
さらに、計算問題も復活しました。
現在の高3が受けたのが計算問題がなくなった2020年度入試。
現在の高2が受けたのが2020年度の形式を受け継いだ2021年度入試。
現在の高1が受けたのが前年度の採点ミスを受け、ガラッと変わった選択問題ばかりの2022年度入試。
高3が受験生のときは、計算問題がなくなるなんて誰も知らなかったので、みんなが同じスタートラインでした。
だから平等で、特に大きな混乱はありませんでした。
むしろ混乱したのはその次の入試を受ける学年の中学生です。
それまでは過去問が何年分もあったので、練習もたっぷりできました。
でも、新傾向の過去問は前年の1年分しかないのです。
塾側でも、思考力を問う問題に対応するべく、いろんな問題集をあさったものです。
新傾向も2年続き、よし対策もバッチリだと向かった現高1は、入試当日、選択肢しかない問題に驚きました。
さて、2023年度入試を受ける現中3はどうでしょう。
一体どの過去問をやればいいのでしょう。
直近のものでしょうか。
いやいや、茨城県教育委員会は「記述問題復活」を明言しています。
となると、2020年度、2021年度の記述問題が多めの問題をやるのが最適でしょうか。
これも「やったほうがいい」のは確かです。
でも、その間に教科書改定がありました。
2023年度入試は、当時なかった英語の”仮定法”などの単元が追加されるのです。
結局、過去問は当てにならないとう状態に……。
それでも過去問演習講座は続いていきます。
一体、受験生たちは何を勉強しているのか。
その辺りは、また今度。
いけずぅ
Lilyに来るといいさ( ̄ー ̄)ニヤリ