成績戦隊アゲレンジャー
~塾に行っても成績を上げられないレンジャー達~
かたくなに途中式を書かないグリーン!
多くの中学生を見ていて思うのが、毎年必ず「途中式を書かない子がいるなぁ」ということです。
全体から見ると1割にも満たない数ですけれど、0になることはありません。
ちなみにこの途中式、いらないと言えばいらないものです。
例えば、25×7×4という計算問題があったとして、700と答えが出ればそれでいいわけです。
途中式があろうがなかろうが、必要なのはたいてい答えですからね。
社会に出たら過程よりも結果が求められるものですし。
「この書類作るのに8時間も頑張りました!」なんて経過をアピールされても、全く意味がありません。
でも、義務教育中の学生には過程も大切なのです。
途中式を見れば、考え方がわかりますからね。
25×7×4
=175×4
=700
と書いた子は「掛け算は前から」と思っているのでしょう。
25×7×4
=100×7
=700
と書いた子は「25×4=100」を知っていて、それを使ったのでしょう。
こんなふうに、その子がどう考えて、どう解いたかがわかります。
これが700しか書いてないと、どういう思考回路かがわかりませんし、電卓を使ったかもしれないし、もしかしたら誰かの答えを写しただけかもしれません。
この場合、「25×4=100」ということを教えてあげた方がいいのか、教える必要がないのかが判断できません。
ということで、途中式を書くほうがメリットがあります。
が、書きすぎると駄目ということもあります。
なんでもかんでも書けばいいというわけではありません。
例えば10ー3を、筆算している中学3年生を見たらどう思いますか?
「この子、計算大丈夫かな」という不安を周りに与えるでしょう。
その不安を与えてしまうと、信頼されなくなるという大きなマイナスを引き起こしてしまいます。
5+3x=11
3x=6
x=2
くらいがちょうどいい塩梅です。
5+3x=11
3x=11-5
3x=6
x=2
と書く子は結構多いです。
もちろん最初はそう習うので、間違いではありませんが、入試問題を解く時期になってもまだそれではちょっと心配です。
小学1年生が足し算引き算で、指を使って計算するのは微笑ましいですが、中学1年生が指を使って計算していたら、一抹の不安を感じます。
なので、その時期その時期に合った計算をするのがベターです。
指を使って計算する子とは違った形の不安ですが、途中式を全く書かない子にも感じます。
途中式を書かずともすぐに計算して合っている、というのなら問題ないのですが、途中式を書かず暗算しようとして頭の中でずーっと考えていて、結果他の人より圧倒的に計算が遅い、というケースが非常に多いのです。
そして、正解率も低いという……。
そうであれば、途中式を書きすぎる方がまだ良いと思います。
改善の余地が見えますからね。
途中式を書かずに全て頭の中でやってしまうと、どこをどう改善すればいいのかのアドバイスもできません。
そういったことを見越してか、テストにはよく「考え方も書きなさい」という問題が出題されます。
★式を立てること
★途中式を書くこと
★正解を導くこと
が要求されているのです。
途中式を書くというのは「言語化」に似ています。
例えば野球でバットのスイングを教えるとき、言語化ができないと「こうやってグッとやって、シュッと振って…」という擬態語ばかりになってしまいます。
これではなかなか万人には伝わりません。
頭の中に描いたことを万人に伝えるために言葉が必要であるように、途中式も必要なのです。
ということで、その時期その時期に合った途中式を書くように心がけましょう。
アゲレンジャーグリーンの要素がある人は要注意です。