量質転化という言葉があります。
「量」をこなすと「質」が高くなっていく、という意味です。
例えば勉強法なら、効率の良い勉強法、つまり「質」の高い勉強法をしたほうが良いのですが、その勉強法とは一体どんなものなのかわかりませんよね。
なので、最初はとにかく質を求めずに量をこなしていくことが大切。
そうすれば効率の良い方法を見つけ出せて、質が上がっていく。
というわけです。
なるほどな、と思いました?
思った
まだこんな例えで納得しちゃだめですよ。
では次の例え。
「知らない英単語を紙の辞書で引く」という作業があるとします。
これも、回数をこなしていくと、だんだん質が上がっていきます。
participateという単語を引くとき、最初は「A~B~C~D~」と頭の中でキラキラ星のメロディでアルファベットを歌って、Pの位置を探してしまいますよね。
でも何度もやっているうちに、Pのページを一発で開けるようになり、調べる時間が短くなります。
「量」をこなしていくことで「質」が高くなっていますね。
こうやって量質転化が起こるので、とにかく量をこなすことが大切なんです。
なるほど
ここで、なるほどと思ったでしょう?
思った。っていうか、言った。
でも、ここで納得してはだめですよ。
すぐ騙されてしまうので、気をつけましょう。
量質転化って嘘なの?
量質転化は嘘ではありませんが、嘘になることもある、ということです。
今までの例え話なら、確かに量質転化ってあるかもなって思うでしょう。
でも、それを鵜呑みにせず、反論を考える思考が大切です。
例えば「きれいな字を書く」練習をするとしましょう。
このとき、量をこなしていれば、質が高まって、きれいな字をかけるようになるでしょうか?
雑な字を100回書いても、1000回書いても、きれいな字にはなりません。
それだけ書けば、雑な字を速く書くことはできるようになると思います。
でもこれを量質転化と呼ぶにはちょっと変ですよね。
目的の「きれいな字」には到達していませんし、しそうにもありませんし。
なので、量質転化という言葉を、都合よく解釈して、ただただ手を動かしていればきれいな字が書けるようになると思ったら大間違いです。
でも「お手本を見て、ゆっくりと丁寧に書く」のを100回、1000回と繰り返したらどうでしょう?
きれいな字になるでしょう。
それに、速く書けるようになっているはずです。
こうやってやれば、きれいな字を速く書けるようになるので、量質転化の名に恥じませんね。
量質転化を起こすには、きれいな字を書くなら「お手本を見る」という正しい練習が必要不可欠なのです。
これはどんなことにも言えます。
スポーツで言うなら、正しいフォームで練習する。
勉強で言うなら、正しい勉強法で勉強する。
間違った方法でいくら量をこなしても、それでは意味がありません。
逆に、変な癖がついてしまって、それを取り除くのにもっと苦労することになります。
人によって学力が違うので、どんな勉強法が正しいのかが異なります。
まずは正しい勉強法を知っている人にアドバイスを求めましょう。
そして、それを実行しましょう。
その後、量を増やすことで質が高まり、飛躍的に伸びるはずです。