歴史は授業を受けてこそ

今日の7年生の集団授業では歴史の古代の部分を解説しました。

歴史の教科書は面白さに欠けます。

理由は事実しか載っていないからです。

その時々の登場人物の感情などは描かれていませんので、ドラマチックさが全くないのです。

それもそのはず、それぞれの登場人物の感情なんてわかりませんからね。

小説家が書く小説には、道場人物の感情が書いてあります。

それは作者が登場人物の感情を決められるからです。

でも、歴史はそうはいきません。

誰もが納得する感情を書くことができないので、史実を淡々と載せるしかないのです。

大化の改新あたりの記述はこうです。

645(大化元)年、中大兄皇子は、中臣鎌足(後の藤原鎌足)らとともに蘇我蝦夷・入鹿の親子をほろぼし、天皇の下、鎌足や中国から帰国した留学生や僧などの協力を得て、新しい支配の仕組みを作る改革を始めました。

歴史の勉強をしている人には、この一文は余計な文言もなくきれいにまとまっていると感じるでしょう。

SHIMIZU

教科書の文言って無駄がなくてさすがって感じだよね

友人Y

そんな視点で教科書を読んだことない

この一文を淡々と読んでも頭に入ってきません。

記憶に残らないでしょう。

中学生には「誰やねん」「なんでやねん」という疑問が浮かぶはず。

友人Y

なんで関西弁?

まず主語と述語を抜き出してみましょう。

中大兄皇子は新しい支配の仕組みを作る改革を始めました。

さすがに「皇子」とついているので、中大兄皇子は誰やねんということはないでしょう。

SHIMIZU

所見では名前を読めないだろうけど

でも、その皇子が「なんで」改革を始めたのか、は教科書に書いてありません。

さらに

蘇我蝦夷・入鹿の親子をほろぼし

これについても「なんで」ほろぼしたのか、書いてありません。

この辺を補うのは授業ということになります。

もちろん、自分で調べても分かるでしょうけれど、調べるのも時間がかかりますよ~。

インターネットで調べても、情報が細かすぎて、中学生はすぐに諦めると思います。

友人Y

ネット上にはものすごく細かく書いてあるよなー

ということで、おすすめは授業をしっかり聞くこと。

学校であれ塾であれ、ネット上の授業動画であれ、教える側の人は「なんで」という理由を発信しているはずです。

ということで、授業を真剣に受けて、先生の話によく耳を傾けましょう。

上述の「なんで」の部分は今日の7年生の授業で言ったのでここにはものすごく簡単に一言だけ書いておきます。

中大兄皇子「隋という国、やべーーー。今の日本のシステムのままじゃやられる……。せや、公地公民!日本の土地も人民も天皇のものってことにして、国をまとめよう」

蘇我蝦夷・入鹿「大化の改新なんてやらなくていい。土地と人民は天皇のもの?ふざけんな、俺の土地も、そこに住む人民も俺のものだ。今の日本のシステムのままでいいだろ。」

という対立がありました。

まあ、それぞれの立場に立つと、どちらの意見も納得できます。

結局、中大兄皇子の主張が通ることになったわけですが、ここで蘇我氏を滅ぼさなかったら、隋に日本が滅ぼされていたという可能性もあります。

なので、今からこの時点を振り返ると、中大兄皇子グッジョブ!ってところでしょうか。

天皇と地方豪族、それぞれ視座が違っているので、利害の一致は難しかったのでしょう。

地方豪族はその地方の人民の心配だけをすればいいのに対し、天皇は日本全土の人民の心配をしなければなりませんからね。

そういった背景も知ると、より理解しやすくなるし、すっきり頭の中に入ってくるんじゃないかと思います。

ということで、授業は面白いですよ。

学校の授業も真剣に聞いてみてくださいね!

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この記事を書いた人

学習塾Lilyの講師。筑西市出身。
「いかにわかりやすく教えるか」を追求することを好むが、教えすぎない指導を心がけている。

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