五葉学園となった今はわかりませんが、確か明野中だったときは「強く大きく美しく」というスローガンを掲げていたように思います。
前の黒板の上にそう書かかれた習字が貼ってあった気がする
そんなことよく覚えてるなぁ
「強く大きくは良いとして、美しくってなんだよ」って少年清水は心の中で突っ込んでいました。
でも今になって思います。
美しさって重要だなぁと。
例えば姿勢。
猫背より、背筋をピンと伸ばしたほうが美しいですよね。
鉛筆やお箸の持ち方もそう。
正しい持ち方で持っている姿は美しいです。
日本人ってこういう美しさを受け継いでいく心がありますよね。
文字の書き順にこだわるのもその一つだと思います。
書き終えた字が読めれば、書き順はどうでもいいように思います。
答えがあっていれば途中式がどんなものでもOKといった感じでしょうか。
それでも日本人は、途中式である書き順までしっかりと教えられます。
正直、めんどくさいという気持ちもありますが、大切なことだよなとも思います。
で、その書き順ですが、私が覚えているものと、子どもたちが教わったものが違っていることがよくあります。
例えば「馬」は、私は「横、たて、横、横、たて」と書いていましたが、学校では「たて、横、たて、横、横」で教わるそうです。
また「書」という字の上の部分の縦線を書くのは、私は4画目でした。
でも、今の中学生に聞くと6画目だそうです。
「変なの~」と思ってましたが、よくよく考えてみると、変なのは私でした。
なぜなら「建」のときは、縦線は最後(けんにょうを除く)なのです。
同じような形なのだから、縦線は最後になっても良さそうですが、私は「書」の場合は縦線を4画目に書き、その後、横、横、と書いていました。
こんなふうに「この漢字なら◯角目だけど、別の漢字だと△角目」みたいなのがいくつかありました。
そこを突っ込まれると言い返せません。
なので、そういう矛盾がなくなるようになったのが今の書き順じゃないかなと思います。
ちなみに、書き順は変わったわけではなく、文部科学省から提示されている手引きは昭和32年から一度も変更されていないそうです。
ただ、生徒に字を教える上で手順書が必要になるので、そのための「筆順指導の手引」というものが存在し、さらにそれには「学習指導上に混乱を来たさないようにとの配慮から定められたものであって、そのことは、ここに取り上げなかった筆順についても、これを誤りするものでもなく、また否定しようとするものでもない。」と示されているので、絶対的な正しいといえる書き順はないのでしょう。
それでも、見慣れない書き方をされると違和感があります。
なので、一般的な書き順はおさえておくのが良いでしょう。
日本人のアイデンティティはこういうところに存在しているんだと思います。
この「美しさを追求する姿勢」というのは、私は嫌いじゃありません。
美しさを求めすぎると変な方向に行ってしまいそうな気がするので、適度に肩の力を抜いて美しさを求めるように子どもたちに教えていこうと思います。