「私はテニスをします」
中学英語でよく見る文です。
多くの中学生がこれを現在形と考え
I play tennis.
という英文を作るんじゃないかと思います。
でも、これって本当に現在形でしょうか?
今日の9年生Bクラスは英語の授業でした。
現在完了形と現在完了進行形を扱いました。
この2つの違いがわからない生徒たちは多いでしょう。
例えば
私はテニスをしています。(部活や習い事として、テニスをしている)→現在形
私はテニスをしています。(今この瞬間にテニスをしている)→現在進行形
私はテニスをしています。(さっき始めて、今この瞬間もテニスをしている。)→現在完了進行形
「私にはテニスをしています」だけでは、どのニュアンスかが日本語でもわかりませんね。
わかりやすくするためには、何かキーワードを足してあげなければいけません。
現在形の文なら「普段」を入れてみましょう。
「私は普段テニスをしています。」
これなら(部活や習い事として、テニスをしている)というニュアンスが出ますね。
現在進行形の文なら「今」を入れてみましょう。
「私は今、テニスをしています。」
これなら(今この瞬間にテニスをしている)というニュアンスが出ますね。
現在完了進行形なら「2時間」を入れてみましょう。
「私は2時間前テニスをしています」
これなら(さっき始めて、今この瞬間もテニスをしている。)というニュアンスがでるでしょう。
日本語だって、受け取り方に幅が出てしまう場合は言葉を追加して限定し、誤解のないようにしますよね。
英語でも同じように言葉を追加します。
現在形ならoftenやevery dayを、過去形ならyesterday、現在進行形ならnow、現在完了進行形ならfor two hoursを。
中学生では現在進行形として習う「私は今、テニスをしています」でも、「私、最近テニスにハマってるんだ」という人が言ったら現在形になっちゃいますね。
最近、大河ドラマを見てそれにハマった人が友だちに「私は今、大河ドラマ見ているんだ」って言ったら、それは今この瞬間に見ているというわけではありませんよね。
だから現在進行形ではなく現在形ということになります。
ただ、この場合は現在進行形でもOKだと思います。
というように、言葉はかなりあいまいなんです。
なので「日常で使っているかどうか」を基準にするなら、採点なんてできなくなってしまいます。
状態動詞だからliveは進行形にできない、と中学生は習います。
I am living in Tokyo.と書いたらバツなのです。
でも、日常でその表現を全く使わないかといったら、そうでもないようです。
例えばアメリカからやってきて、この1ヶ月間だけは東京に住んでいて、来月からは横浜に住むなんていうような、一時的な住まいとしての東京だったら、進行形になるそうです。
ということで、中学校で習う英語は「日常で使うかどうか」はさておき「教科書に書いてあるか」で覚えましょう。
もやもやするかもしれませんが、まずは「型」を身につけるには大切なことです。
教科書に書いてある型を学んで、その先、留学したり海外移住するようなときや英語を話す友だちができたときなどに、英会話としてそういう表現方法もあるんだと学べば良いのです。
英語の勉強をしていて思うのは、日本語も結構あいまいでいいかげんだなということです。
言語ってそういうものなんでしょうね。
例えば冒頭の「私はテニスをします」は一般的には現在形と考えるでしょう。
でも、こういうシチュエーションならどうでしょう。
体育でいろんな競技があって、その中から自分がやる競技を選ぶとき「私はテニスをします」。
これは普段テニスをしているわけではありませんよね。
これからテニスをするのです。
となるとwillを使って「 I will play tennis.」でしょうか。
これも一つの正解です。
でも、これ以外にも英文にできるはずです。
このシチュエーションの場合なら「私はテニスに決めた!」というふうにも言い換えられます。
そしたら「 I decided to play tennis.」ですかね。
こんなことを考え出すと「私はテニスをします」という文を「I play tennis.」以外で書けるんじゃないかと思うでしょう。
そして、「I will play tennis.」と書いてバツをつけた先生に対して、「いやいやいや、こういうシチュエーションかもしれませんよね?」と言いたくなったりもするでしょう。
でも、そこはぐっと我慢して、素直にI play tennis.と書いておきましょう。
中学生は「型を学ぶ時期」です。
「型を破る」のはもう少し先のこと。
疑問に思うことは非常に大切なので、その心は常に持ち続けて。
でも今は型を学ぶ時期ということもわきまえて。
うまくバランスとりながら勉強しましょう。