田舎のバスはおんぼろ車
タイヤは継ぎだらけ 窓は閉まらない
それでもお客さん 我慢をしているよ
それは私が美人だから?
田舎のバスはおんぼろ車
デコボコ道をガタゴト走る
中村メイコ / 田舎のバス 作詞作曲 三木鶏郎
うちの娘たちが歌ってました。
教えたのはおじーとおばー、つまり私の両親です。
数十年前に流行った歌らしいのですが、私が生まれる前のことですので当然記憶にはありません。
童謡みたいな感じなので、幼児にはすんなり入ってくるのでしょうね。
この歌詞に出てくる「私」が何なのか、世代によって解釈が変わると思います。
正解は「車掌」です。
呼び方が合っているか自信ないけど
車掌っていうと電車をイメージするね
「添乗員」かも
昔はバスのドアが自動じゃなかったので、開け閉めする人が必要だったのでしょう。
そういう役とか、監視とかの仕事をするのが車掌さん。
そういや電車の車掌も何のためにいるのかよくわからないな
車掌が乗っているかなんて気にしたことないね
「ワンマンバス」が当たり前になった時代に生きている私の世代は「バスに車掌が乗っている」ということにピンと来ませんが、あるとき「これだ!」と思ったことがあります。
それが「となりのトトロ」です。
サツキがメイをおんぶして、お父さんの帰りをバス停で待っているシーン。
あの時、バスの中から「乗りますか?」とサツキに声をかけたお姉さんがいましたね。
あれが車掌さん。
田舎のバスも、この時代の曲だということです。
となりのトトロは偉大だな
後世に語り継ぐべき作品だよね
気になってたんだけど、ワンマンバスの「ワンマン」て何よ?
One Man、つまり一人の男性(運転手)だけで走っているバスってこと
車掌がいないって言いたいのね
そう。でも車掌がいないのが当たり前だと思っている世代には「?」だよね
「ワンマンです」と言われても「そりゃそうだろ」としか思わないな、たしかに。
時代が変われば、視聴者も変わります。
視聴者の生活が変われば、作品の内容が理解できない部分が出てきます。
昔のドラマで「待ち合わせに相手が来ない」なんてシーンがあったとして、それを見た現代っ子は「LINEしろよ」って思うでしょう。
何時間も待つなんて考えられないだろうね
GPSで把握してたりして「待ち合わせ」という概念すらなくなりそう
時代が変われば正解も変わります。
以前は「ワンマンバス」で良かった表記も、
「マン」は大人の男性を指す言葉、女性の運転手のバスはどうなるんだ?男性ばかり優遇するな!
みたいな意見を言う人がいるので、そのうち違った言い方になってしまうかもしれません。
世知辛い世の中だ
バスの車掌さんをやっていた人たちは今何をしているのでしょうね。
もうその仕事はなくなっちゃいましたからね。
お墓の中でしょ
さもありなん
2015年12月「AIの導入によって日本の労働人口の49%の仕事が10-20年以内になくなる」というレポートが日本を震撼させました。
でもよくよく考えてみれば、今までもなくなった職業は数知れず。
エレベーターガールとかもいた時代あったよね
実際に見たことないけどね
そのうちの一つがこのバスの車掌さんですね。
でも今あるものがこのままずっとあると考えるより「時代に合わせて現れたり消えたりするもの」と思っていた方が良さそうですね。
塾講師もいずれは消えゆく運命かもなー
さもありなん