「国語の勉強をしなさい」と言われると「漢字練習」を
「英語の勉強をしなさい」と言われると「英単語練習」を
「数学の勉強をしなさい」と言われると「計算練習」を
「理科の勉強をしなさい」と言われると「一問一答」を
「社会の勉強をしなさい」と言われると「歴史の一問一答」を
やってしまうのが中学生です。
悪くはありません。
手を動かすだけ、何もしない子より断然良いです。
が、それではテストの点数に反映されません。
もちろん、上記のことはすべて大切で、無意味とは言いません。
重要語句や英単語を知らない中学生はまずそういったことをインプットしなければいけませんので、そこからやらないといけない中学生もいます。
なので、上記のことをすべての中学生がやってはいけない、とは言いません。
「テストで点数を上げたいなら」という枕詞を置いておきます。
今日は入試過去問演習講座でした。
扱ったのは茨城県の社会の問題。
受験生達は、解いてみてわかったと思います。
「思ったより歴史が少ないな」ということに。
社会ではストーリー性がある分、歴史分野が人気です。
勉強していて面白いと感じられるのは歴史でしょう。
だから歴史の勉強に手を出します。
これ自体はいいです。
でも、ちゃんと全体を見て勉強しましょう、ということを伝えたいのです。
入試問題を解いてみて、実際にどんな問題がでるかを知れば、どの分野にどれだけ力を入れるかがわかります。
一度、鳥になった気持ちになって、全体を上から、大きく見渡します。
これを「俯瞰(ふかん)する」といいます。
制限時間がある勉強にはこれが有効です。
それをせずに、まず歴史の勉強を始めてしまうとしましょう。
そうすると、学校のワークをやたら細かくやってしまい、鎌倉時代あたりで力尽きます。
文化面で出てくる用語まですべて網羅しようとすると、パンクしてしまうのです。
それでも頑張って覚えたとしましょう。
そして入試問題を解いて唖然とします。
「文化面の問題が一つも出ていない」のです。
「紫式部」が「源氏物語」
「清少納言」が「枕草子」
「夏目漱石」が「坊っちゃん」
と、覚えたところで、全然出てません。
かろうじて出ていたのは「藤原頼通が建てた平等院鳳凰堂」です。
「摂関政治が盛んだった時代に関係があるものを、次の中から選びなさい」という問題です。
ア東大寺南大門 イ大阪城 ウ慈照寺銀閣 エ平等院鳳凰堂
から選びます。
それぞれ写真が載っているだけで、それ以外の説明はありません。
つまり写真を見て「平等院鳳凰堂」とわかっていればOKです。
藤原頼通という語句を知らなくても解けます。
摂関政治といえば「藤原道長、藤原頼通」のときなので、その用語を知っていたほうが有利であることは確かですが、他の選択肢の建物は時代が違うということを知っていれば解けます。
さらに、入試問題では公民の問題が思ったより多いことに気づくでしょう。
今までは地理と歴史しか習っていなかったため、模試でも地理と歴史が半々で出ているのが社会のテストでした。
でも、入試では公民もあるので、3等分されます。
だから公民の対策も必要なのです。
公民の教科書は5章で構成されています。
現在、中学校ではようやく1章が終わるところ……。
あれ?このペースだとまずくない??
そう思えればひとまず合格。
気づけるかどうかは、俯瞰しているかどうかによります。
現時点では解けない問題が多いのも事実ですが、一度入試問題に触れてみましょう。
それが10月から過去問演習講座を始める理由なのです。