集団授業においては、伝えたいことが伝えたい相手に伝わらないということが往々にしてあります。
学級会を想像してみましょう。
「友達の帽子を隠すのは良くない。そういうことはやめましょう」と先生がクラス全員に向けて言ったメッセージを真面目に受け取るのは、もともと帽子を隠さない子です。
当の本人は先生の目を盗んで別の友だちとこそこそ話で、今度遊ぶ約束をしています。
先生が伝えたいのは帽子を隠した張本人ですが、伝わるのはそれ以外のクラスメイトに。
他にも「いじめは駄目」と言ったところで、いじめている本人は聞いていないというか、聞いていても自分のことを言われているとは思っていない節があります。
かといって、名指しで批判するのもなかなか難しいので、先生にとっては悩みどころでしょう。
友人Y
後で個別に指導するんかね?
たぶんそうじゃないかな
こういったことが塾の授業でも起こります。
「ノートを取りなさい」と言われてノートを取るのは、普段からノートを取っている子だったり。
逆に、応援のメッセージも、名指しではしません。
一人を注意すると「なんで自分だけ?」と思われるのと同じように、一人を応援すると周りの人が「なんであの子だけ?」と思うでしょう。
なので、注意も応援も、集団授業では全員に向けて行います。
でも本当は伝えたいメッセージは人それぞれ違います。
そんなとき、私はTHE BLUE HEARTSの曲が思い浮かびます。
心の中では頑張れって言っている
THE BLUE HEARTS / 人にやさしく
聞こえてほしい あなたにも
がんばれ!!!