パレスチナのガザ地区の武装勢力ハマスが、イスラエルにテロ行為をしました。
軍人ではない民間人を殺戮(さつりく)したのです。
女性も赤ちゃんも容赦なく殺したというニュースに、怒りを覚えるのを禁じえません。
ハマスのテロ行為に対しては強く避難するべきですが、パレスチナをひとくくりにするのもいけません。
そこには、2000年の歴史が絡んできます。
海外に行くときは、特にこういった歴史や宗教を学んでおかなければなりません。
一神教の信者に「神様なんていないでしょ」なんて不用意に言おうものなら、ものすごく批判されるかもしれません。
いや、批判だけならまだ良いです。
それ以上のことを何をされるかはわかりません。
まあ、みんながみんなという訳では無いでしょうから、そこまで恐らがなくてもいいのかもしれませんが、慎重になるに越したことはありません。
さて、イスラエルとパレスチナですが、これはどちらが善でどちらが悪と一言で言えない難しさがあります。
例えばA君がB君を殴ったとしましょう。
悪いのはA君、となりますよね。
そりゃ殴ったら悪いでしょ
でも、A君はB君に毎日毎日いじめられて、自殺寸前まで追い詰められての反撃だとしたら?
それでもA君が悪いと言えるでしょうか。
言えないかもしれない
そういった難しさがあるのです。
簡単に歴史をおさらいしましょう。
現在のイスラエルとパレスチナがある地域は「パレスチナ」と呼ばれていました。
そんなパレスチナには「ユダヤ人」が住んでいました。
この時点では、パレスチナという土地はユダヤ人のものです。
しかし、ユダヤ人は他の人種の人達に迫害され、世界中に散り散りになっていきました。
これが2000年前のことです。
ユダヤ人が出ていった土地に、アラブ人が住み始めました。
この時点で、パレスチナはアラブ人のものになりました。
ユダヤ人はというと、世界中に散り散りになったあとも各地で頑張って、お金持ちになる人が多くいました。
いつかは自分たちの国を持ちたいという思いを抱えたままです。
そして時は第一次世界大戦。
いつだっけ?
1914年だよ
世界中に散り散りになったユダヤ人に、「ユダヤ人の国(=イスラエル)を建国してあげよう」という雰囲気になりました。
特にイギリスがそれを推しました。
実は「第一次世界大戦でお金がたくさんかかるから、そのお金を提供してくれたら、イスラエルを作れるように手配するよ」とイギリスは勝手にユダヤ人と約束していたのです。
そして時は流れ、第二次世界大戦後の1948年にパレスチナという土地にイスラエルというユダヤ人の国家ができたのです。
じゃ、そこに住んでいたアラブ人達はどうなったの?
そこが問題だよね
2000年前はユダヤ人が住んでいたかもしれませんが、その後2000年間はアラブ人が住んでいました。
それなのに急に「ここにユダヤ人が世界中から集ってきてイスラエルという国を作るからね」と言われても、納得できませんよね。
もとはユダヤ人の土地なら、返せば良いんじゃない?
「君の土地、2000年前は●●という大王の土地だったんだから、ちゃんと返してね」と言われて、素直に返す?
返すわけない。俺が住んでいる土地は俺の土地。
でも、イスラエルという国ができてしまいました。
ユダヤ人が出ていったあとの約2000年間住んでいたアラブ人にとって、たまったものじゃありません。
ユダヤ人とアラブ人は何度も争いました。
これが中東戦争です。
第4次中東戦争のときは、日本にもオイルショックとして影響を与えています。
聞いたことある
今度は、さすがにアラブ人が可哀想だということで、イスラエルの中にアラブ人が住むパレスチナ自治区ができました。
ユダヤ人が出ていったあとの約2000年間住んでいたアラブ人はパレスチナ自治区と呼ばれるガザ地区とヨルダン川西岸地区に住んでいます。
ガザ地区は特に周りはイスラエルに囲まれているため、それより外の地域に出ることができず「天井のない監獄」なんて呼ばれています。
このような歴史を知ると、どちらが悪いと簡単に言えない現実に気付かされます。
また、その地域には「エルサレム」という宗教の聖地があります。
しかも、その宗教とは「ユダヤ教」「キリスト教」「イスラム教」なのです。
3つの宗教の聖地がエルサレムという、ここだけとっても紛争の種が潜んでいることがわかります。
ただ、今回のハマスは、パレスチナではなく、パレスチナの中にいるテロ組織なので、そのテロ行為は避難されるべきであると思います。
でもハマスのようなテロではなく、イスラエルとパレスチナのという国家間の問題はどちらが悪いというのも難しいため、非常に扱いづらい問題です。
極東の日本人は静観するしかないというのが現状です。
大人も子供もお姉さんも。
知識として持っておいて、自分の考えも合わせて持っておくことをおすすめします。