その時、私は言えるだろうか

受験生になると誰でも志望校を掲げることになります。

1学期に掲げたその志望校は、願望であることが多いです。

でも、それで構いません。

最初はどんな志望校であれ掲げなければゴールまでの道筋が見えませんからね。

それに1学期(前期)の段階では無理だと思うところを掲げるくらいの方がいいです。

すでに合格圏内にいる高校を志望校としても、勉強に身が入りませんからね。

そして2学期(後期)になると、志望校の考え方も変わってきます。

「実際に通えるか」という問題が出てきます。

例えばこの辺で人気のある竹園高校。

今までそこを第一志望に掲げ頑張ってきました。

もう合格できるだけの実力を手にしました。

そうすると、竹園に通うことが現実味を帯びてきます。

そしてその時になって「あれ?竹園に合格できたとして、実際に通うとしたらどうやって通うんだ?」と考えます。

そして「竹園に通うのは現実的ではない」という答えになり、第一志望を変更します。

今までの塾講師人生の中でこのような例を何件も見てきました。

これは志望校を考えるときに学力のものさしだけで見ているからですね。

学力的にはクリアできても、通学手段でアウトになる、ということは結構あります。

例えば片道30km、車で50分近くかかるとなると、親や祖父母を動員しても送迎を毎日できないなんてことも出てくるでしょう。

そうすると、志望校を変えるしかありません。

親としては子どもの実力に合った学校に行かせたいと思うものです。

でも、実際にそれを叶えられるかというと、なかなか難しい問題もあります。

頑張って志望校に行ける学力がついたとしても、通学できないという理由で志望校を変更することになると、そこから成績を維持するのは難しくなります。

例えば現在の偏差値が68、竹園高校が68なので合格圏内。

でも、竹園は通えないから偏差値60の下妻一高に、となった。

そうなると、偏差値68を維持できずに下がってしまいます。

下妻一高の60よりは下がることはないでしょうけれど。

こんな感じで、視線の向きは成績の向きと連動します。

とはいえ、難しいものは難しいので、志望校変更は仕方ないことだと思います。

私自身も中学生のときは「私立は駄目」と言われたような気がします。

直接言われてないかもしれませんが、中学生ながらに悟ったのかもしれません。

まぁ、私の場合は親友に誘われるまま、公立高校になったので、私立が駄目と言われても全然気にしてませんでしたけれど。

先日、ある保護者様とLINEのやりとりをしました。

最後にこう書いてありました。

通える通えないは考えておらず、本人が行きたいならば、
通えるようにしてあげようと思っております。

私は親としてまだまだひよっこだなと痛感させられました。

私の娘は上の子でもまだ小学1年生。

高校入試まであと8年くらいあります。

8年後、こんなセリフが言えるでしょうか……。

リリイの保護者様を通じて、私自身もレベルアップしていきたいと思います。

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この記事を書いた人

学習塾Lilyの講師。筑西市出身。
「いかにわかりやすく教えるか」を追求することを好むが、教えすぎない指導を心がけている。

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