「~です」があったら「be動詞」と、短絡的に覚えているとおちいる罠があります。
それが「私は数学が好きです」です。
「私は学生です」であれば「 I am a student.」というふうに、「『~です』があるから、be動詞(am)を使う」というルールで良いのです。
でも、「私は数学が好きです」は一般動詞のlikeを使って「 I like math.」となります。
「好きです」ではなく「を好む」というふうに言い換えて「私は数学を好む」とすれば「ですがないから、be動詞じゃないんだな」とわかってくれるでしょう。
ただ「~を好む」って、日本人はあんまり言いませんよね。
「私はスタジオジブリの映画を好みます」なんて言う人、そうそういません。
「私はスタジオジブリの映画が好きです」と言う方が一般的でしょう。
これが「日本語と英語を1対1で結びつけてしまう弊害」です。
異なる言語なんですから、1対1で結び付けられません。
日本語の「すみません」に該当する英語は何でしょうか。
I am sorry.でしょ
ごめんなさい、もうしわけない、という意味ならそれでOK
日本人が言う「すみません」にはいろんな意味があります。
遅刻して「すみません」= I’m sorry.
誰かに声をかけるとき「すみません」= Excuse me
やってもらっちゃって「すみません」= Thank you.
こんなふうに、日本語では1つでも、英語にするといくつにもなる、という例はたくさんあります。
逆もまたしかり。
でも、そうは言っても英語初心者はまず「1対1」で覚えます。
ただ、やはり日本語って難しいなぁと思ったのが下記の例。
A 私は2年前、学生でした。
B 私は昨日、忙しかったです。
最初は「です」は現在形、「でした」は過去形、と教えます。
Aは過去形とすぐわかってくれます。
でも、Bが過去形だと気づくのに時間がかかってしまうのです。
それは「です」か「でした」でしか判断していないからでしょう。
最初はそう教えるので、仕方ないといえば仕方ないのですけれど。
でも、一度「現在形はam、過去形はwas」と習っただけで、「これは現在か過去か」と考えて、慎重に答えを出す子もいます。
そういう子の方が英語の伸びが良いと感じます。
1対1で覚える場合、覚えるのは楽ですが応用が利かないのです。
大切なのは「です」「でした」ではなく「現在か過去か」です。
本質を見抜くためには頭を使うこと。
日本語をそのまま英語にしていたら、英語の点数が上がらなくなってしまうので気をつけましょう。