今回のKYな会話では「なりたい職業ランキング」が話題ですが、今ならきっと1位はYouTuberでしょうね。
夢を与える側になりたいと思うKYな会話
K:小学生男子がなりたい職業ランキング一位はなんだと思う?
Y:プロ野球選手。
K:正解。じゃ、高校生男子の一位は?
Y:学校の先生。
K:よく分かったね。
Y:最近、ニュースで見た。
K:小学生男子は1位プロ野球選手、2位サッカー選手、3位医者だったのが、高校生男子になると、1位学校の先生、2位公務員、3位医者という風に変わってます。
Y:現実的になったね。
K:小学生男子はランキング上位には年収が高い職業が多くランクインしてるのに比べて、小学生女子は保育士、看護士、パティシエなど年収にこだわらない結果となっております。
Y:そうだろうね。
K:しかも、小学生男子にはなんとサラリーマンも12位にランクイン。公務員も18位につけております。
Y:へー。
K:なんで小学生男子ってプロ野球選手になりたがる子が多いんだろう。
Y:カッコいいし、有名になれるし、お金を稼げるからじゃない?
K:憧れる要素がいっぱいあるわけだね。
Y:そうだね。
K:でもさ、大富豪の中に生粋のスポーツ選手っていなくない?
Y:そうなの?
K:本当にお金を稼ぐなら、スポーツ選手よりサラリーマンとか実業家になるべきだよね。
Y:サラリーマンじゃ駄目じゃない?実業家ならいいけど。
K:どちらにしろ、子供にはそういう地味に見える職業はあんまり人気がない。
Y:プロ野球選手ならテレビで見るけど、地味に見える職業ってあんまり見ないだろうし、知る機会がないからでしょ。
K:そういうのも関係してると思うけどさ。やっぱり小学生にとってはお金が稼げる職業=プロ野球選手ってのがある気がする。
Y:医者も儲かると思ってるんじゃない?
K:そうだろうけど、医者はたくさん勉強しなきゃならないって意識もあるから、勉強嫌いな子は医者になりたいって思わないでしょ。
Y:そうだね。
K:なんで小学生がプロ野球選手に憧れるのか……。それはきっと周りの大人が影響してる気がする。
Y:ほう。
K:大人が子供に夢を語るとき、悪いことは言わないよね。例えば「プロ野球選手になったって、一軍で活躍できるのはほんの一握り」とか「怪我でもしたら、もう取り返しがつかない」とか、そういうことは言わないよね。
Y:夢を壊すようなことはね。
K:あとは年収のこともあんまり言わないよね。
Y:年収で判断して欲しくないって思ってるんじゃないかな。
K:お金を稼ぎたいなら、スポーツ選手よりも青年実業家にでもなった方が良いと思うけど、そういうのをすすめる大人ってあんまりいないよね。
Y:そうかもね。
K:あと、サラリーマンの人気がないのも、身近な大人達のせいだと思う。
Y:なんで?
K:サラリーマンという職業に誇りを持って仕事をしてる人なら、その姿はカッコいいと思う。そういう姿を子供が見たら憧れるでしょ。
Y:そうだね。
K:でも、実際のところ、サラリーマンの印象はよくない。「やらされている」とか「愚痴ばかり」とか「他に出来ることがないからサラリーマンになった」とか「ため息ついてばかり」とか「安月給」とか、マイナス要素を多く耳にする。
Y:そうだね。
K:そういう姿を見せられて、憧れる子供はいないでしょ。
K:うん。
K:そんな風にマイナスばかり植えつけられてしまったら、いざサラリーマンになったときに「あーあ、俺もサラリーマンになっちゃった」なんて言ってしまうんじゃないだろうか。
Y:そうだね。
K:その職業に就いた瞬間「やった!なれた!」って思うか、「あーぁ、なっちゃった」って思うかで、仕事に対する意欲はかなり違うと思う。
Y:そうだね。
K:サラリーマンのイメージを向上させる気はさらさらないけど、もっとこう誇りみたいなもんがあっても良いんじゃないかと思う。誇りがあれば、年収が低くたって憧れる。
Y:そう?
K:5位の大工とかね。消防士とか警察官も、年収で憧れるというより、誇り高き仕事ってところで、ランキング上位に来てるんだと思う。
Y:なるほど。
K:あと、サラリーマンって誰でもなれるって思われてるあたりも良くない。「他の職業に就けなかったから、サラリーマンになるしかなかった」みたいな感じでさ、最後の受け皿としてサラリーマンがあるっていうイメージでいる人が「サラリーマンになっちゃった」って言うと思う。
Y:その台詞はよく聞くね。
K:「普通の人にはなりたくないって思ってた俺も、結局普通のサラリーマンか」みたいなね。
Y:うんうん。
K:どんな職業についても良いけどさ、子供に夢を与えようとして仕事した方がいいよね。「プロ野球選手になった方がいいぞ。たくさん稼げるぞ」なんて、他の職業に夢を託しちゃうのは良くない。
Y:そうだね。
K:自分が夢を与える。与える側になるってのが大人になるってことだってさ。
Y:大人になれるのかな。
K:そういえばクリスマスプレゼントもお年玉も与える側になっちゃったしね。もう立派な大人なんだよ、オイラ達も。
Y:そうかぁ。
K:オイラ達も、誰かの憧れになるように頑張ろう。
Y:うん。
K:小学生の頃の夢ってなんだった?
Y:そろばんの先生。
K:地味だな。
Y:君はなんだったの?
K:漫画家か海賊かバスケットボール選手。「三浦知良選手みたいなサッカー選手になりたいです」って書こうと思ったら、”かずよし”という漢字が書けなかったから、サッカー選手はやめた。
Y:サッカーやってたの?
K:いや全然。当時は夢ってのがなかったから、無理矢理ひねり出したんだよ。
Y:バスケットボール選手はなんで?
K:中学生になったらバスケ部に入るかもしれないから、矛盾しないようにと。当時はスラムダンクが流行ってたからね。
Y:海賊とか、なんだよそれ(笑)
K:前の席の子が書いてたから真似したの。叶わなくて良かった。
Y:ほんとだね。現実の海賊って、漫画のワンピースの海賊とは違うからね。
K:全くだ。誰だ、海賊なんて夢に書きやがったのは。
Y:君でしょ。
K:でも、当時はワンピースの連載が始まってないから、時代を先取りしてたってことだね。
Y:はいはい。
K:そういえば、「夢を叶える方法は?」という質問に「夢をサラリーマンとかハードルの低いものにすることです」ってアドバイスしてた人もいたな。
Y:なるほどね。
K:プロ野球選手とかなら、希少価値がある感じがするけど、サラリーマンって数が多いから、憧れないんだろうね。
Y:そうかもね。
K:そのせいか、サラリーマンなんて、いつでも誰でもなれると思ってたけど、そうじゃないんだなって、全国のニートは思ってるに違いない。
Y:そうだね。
K:そんなうちらもニート予備軍。
Y:はやく抜け出そう。
K:じゃ、またね。
Y:ばいばい。