これから暑くなるのに、クリスマスのお話です。
こういうこともありますので気にせずにいきましょう。
クリスマスを一人で過ごすKYな会話
K:先に言わせてもうらうけど、オイラは12月24日は休みなんだ。
Y:良かったね。
K:これといった予定もない。いつもどおりの休日だよ。
Y:かわいそうに。
K:そこ!
Y:ん?
K:おかしくない?そこ。
Y:なにが?
K:なんでいつもの休日を過ごすだけなのに、可哀想って言われるんだ?
Y:だってクリスマスイブだもん。なのに予定ないんでしょ?
K:ないわけではないよ。
Y:何があるの?
K:クリーニング取りに行ったり、洗濯したり。
Y:かわいそうに。
K:だから、なんでそう言われるんだ?
Y:だってクリスマスイブだもん。
K:その日は恋人とデートしなきゃ駄目なんて誰が決めた?
Y:世論。
K:君の口からそんな難しい言葉が出てくるとは思わなかった。
Y:難しくないよ。
K:だいたいね、恋人とデートするのが良くて、一人で過ごすのが悪いっていう考えが良くない。
Y:別に悪いとは思わないよ。かわいそうって思うだけ。
K:中には別れの際で踏ん張ってる恋人達もいるかもしれない。そういう人達はデートしても面白くないよ。
Y:ひがみ?
K:クリスマスイブはデートっていう、形にとらわれてる。
Y:年に一度くらいはそういう日があって良いんじゃない?
K:なんかさ、「人と同じ事を出来ないと可哀想」っていう風潮があるよね。
Y:クリスマスにデートできないとかわいそう、とか?
K:そう。そもそもクリスマスにデートする人の方が少ないはずなのに。
Y:たしかに少ないかもね。
K:相手を可哀想って言う人って、上から目線だよね。
Y:そう?
K:カップラーメンを食べてる人を見て、可哀想って思うでしょ?
Y:思うかも。
K:好きでカップラーメン食べてるのに、可哀想とか言われる。ひどくない?
Y:気にしなければいいじゃん。
K:人間は勝手に人を見下す生き物なんじゃないだろうか。
Y:そういう人ばかりじゃないでしょ。
K:他人を見下す人って、他人を見上げる人でもあるよね。
Y:どういうこと?
K:誰かを見上げたり、見下げたりして、自分のポジションを知るって感じ。
Y:ほう。
K:「クリスマスを一人で過ごすなんて、かわいそうに」って言う人は過去に「クリスマスにデートできる人、いいなぁ」って思った経験があるに違いない。
Y:そうかもね。
K:クリスマスにデートすることを羨ましがらない人は、一人で過ごすって人に対しても、別に何も言わないはず。
Y:確かに。
K:誰かを可哀想って思う人は、自分も誰かに可哀想って思われた経験があるんじゃないだろうか。
Y:うん。
K:自分はそう思ってなかったのに「クリスマス一人なんて可哀想だね」って言われて、「クリスマス一人って可哀想なのか」ってなって、クリスマス一人は可哀想っていう価値観が出来上がる。
Y:あるかも。
K:他人は鏡だからね。相手をどう思うかが、そのまま自分に返って来る。
Y:自分が嫌いな相手は、相手も自分のことを嫌いって言うしね。
K:嫌われたくなけりゃ、嫌わなきゃ良いんだよ。
Y:それもまた難しいでしょ。
K:そう?俺、嫌いな人思い浮かばないよ。
Y:苦手な人も?
K:うん。たぶんね、無意識のうちに距離を置いてるから、頭の中に浮かんでこないんだと思う。
Y:得な性格だね。
K:嫌いだとか苦手な人がいるとして、その人のことを毎日考えることって苦痛じゃないのか?
Y:そりゃそうだけど、どうしても考えちゃうってことはあるでしょ。
K:例えば、足を踏まれたとする。
Y:うん。
K:相手が謝らなかったら、どうする?
Y:別に何もしない。
K:わざわざ「さっき足を踏まれたんですけど」とか言わないよね。
Y:めんどくさいし。
K:かといって、誰かに報告するようなことも、ましてやブログにアップして憂さ晴らしをすることもないでしょ?
Y:めんどくさいし。
K:それが良いと思うんだよね。足を踏まれたとしても、謝られなかったとしても「そういう人なんだ」って思って、すぐ忘れる。それが良い。
Y:狸寝入り?
K:泣き寝入り、ね。
Y:そう、それ。
K:まぁ、そう見えるかもしれないけど、わざわざ裁判で争うようなことじゃないし。もし、これをずっと根に持ってたら、その方が疲れちゃうでしょ。
Y:うん。
K:次にその人に会ったときも、嫌な顔しちゃってると思うよ。「こいつ、足踏んで謝らなかった奴だっけな」って。
Y:そうだね。
K:相手は足を踏んだこと自体気付いてないかもしれない。なのに、こっちは「あなたは失礼な奴」って思って身構えてたら、相手も身構える。はい、気まずい関係の出来上がり。
Y:なるほど。
K:この話は、相手との距離でも変わってくるし、話し出すと長くなるから、また今度話そう。
Y:オーケー。
K:で、君は24日はどう過ごすの?
Y:俺は仕事だよ。
K:可哀想に。
Y:おかしくない?そこ。なんでいつもと同じ仕事をするだけなのに、かわいそうって言われるんだ?
K:だってクリスマスイブだもん。なのに仕事なんでしょ?
Y:いつも通りに過ごすだけなのに、なんで?
K:それを知りたければ、この会話もう一回読み直して。
Y:そうするわ。
K:良いクリスマスを。
Y:あいよ。
K:じゃ、またね。
Y:ばいばい。