粋なおごり方を考えるKYな会話
K:超高級料理店は、メニューに値段がないらしいよ。
Y:そうらしいねぇ。
K:なんで?
Y:値段があると、値段が気になっちゃうからじゃない?
K:値段がない方が余計気になるだでしょ。
Y:そうかもしれないけど。
K:お会計の時ってさ、熾烈な駆け引きが繰り広げられるよね。
Y:そお?
K:お金の恨みは怖いからね。皆必死さ。
Y:割り勘でいいじゃん。
K:世の中ってのはそう割り切れるものじゃないんですよ。
Y:上手いこと言ったって顔してるね。
K:デートのときって、おごるタイプ?
Y:そだね。
K:彼女も、おごってもらうのが当たり前タイプ?
Y:そだね。
K:嘘つけ。彼女いないくせに。
Y:(笑)
K:まぁ、そういう風に役割がはっきりしてるなら、それはそれでいいと思う。熾烈な駆け引きに頭を使う必要もないし。
Y:でしょ?
K:でも、問題はそうじゃない時。「おごるよ」って言うのもなんかためらうよね?
Y:そう?
K:「いやいや、ここは私が」「いえいえ、私が」「いやいやいや、この前のお返しですよ」「いえいえいえいえ・・・SEY YEAH!!」こんなやり取り、うっとおしいよね。
Y:ラッパーがいたね。
K:思うんだけどさ、会計が後にある上に、会計するシーンがあるから悪いと思うんだよ。
Y:どういうこと?
K:会計は最初に済ませちゃって、食べ終わったら店を出るだけにする。
Y:ほう。
K:そうすれば、財布を出すシーンがなくなるから、「ここは私が」っていうやりとりもなくなる。
Y:なるほど。でも、先に会計ったって、いくらかかるかわからないじゃん。
K:例えば、店に入って、レジの前を通り過ぎるとき、おごりたい女性を前に歩かせて、自分はさっと2万円くらいをレジに差し出して、そのまま席につく。
Y:足りなかったり、おつりがあった場合は?
K:おつりはチップとしてあげちゃうか、おつりだけを貰う。
Y:いつ?
K:普通は、食事が終わって、「会計お願いします」って言うでしょ?
Y:うん。
K:そして、ウェイターが伝票を持ってきて、お金を払う。
Y:うん。
K:その時、「ここは私が」って始まっちゃう。財布を出すシーンってのが、ここのことね。
Y:うん。
K:プリペイド式の場合は、このタイミングでおつりが出てくる。
Y:ほう。
K:相手が財布を取り出そうとしたのに、「4500円のお返しです」とかウェイターが言うの。お金を出そうとした相手が「え?」って顔をする。
Y:そりゃそうだろうね。
K:「あれ?まだいくらかとか聞いてないし。え?いつ払った?」みたいなね。
Y:それでも「じゃ、半分出すよ」とか言いそうじゃない?
K:うん。でも、おつりしかわからないから、いくら使ったのかも分からない。だから、相手も半分がいくらかわからない。で、「いいから、いいから」って言われて、おごってもらう、と。
Y:なるほどね。
K:気を使わせたくないなら、そんな風に、「お金を出すシーンをなくす」のがいいと思う。こういうことがスムーズに出来るお店はないものだろうか。
Y:まぁ、そういうお店とか、システムがあってもいいかもね。
K:でも、最初にお金を出すってのは、なかなか難しいと思う。歩いてる途中にサッと出すって、予行演習が必要だ。
Y:まぁ難しそうだね。
K:それを一瞬で出来る画期的なシステムがある。
Y:ほんとに?
K:うん。SUICA、お財布ケータイなど。
Y:あぁ。なるほど。
K:レジの前を通るときに、ピッって。
Y:それならスムーズに行けるね。
K:世の中全て、もう電子マネーで良いよね。
Y:そう?
K:駄菓子屋とかも電子マネーでいいよ。
Y:子供の勉強にならないね。
K:大丈夫。そういう社会になれば、勉強の必要すらなくなる。おつりとか暗算しなくても、機械がやってくれるから。
Y:なんか淋しいね。
K:駄菓子屋のおばちゃんも楽になるよ。スーパーのレジも、おつりの間違いとかなくなる。
Y:確かに。
K:22世紀には「硬貨?札束?何それ?」っていう社会になってるかもしれない。
Y:停電したら、全てがストップするね。
K:その頃は太陽光発電とか振動発電とか燃料電池とか、それを超える発電方法が編み出されてたりで、いろいろな方法があるから、停電もしにくくなるはず。
Y:本当にそんな世界になってるかもね。
K:その頃も、やっぱり傘だけは進歩してない気がする。
Y:そうかもね。
K:電子マネーが当たり前の世の中でも、相変わらずの相合傘。その相手に気を遣わせまいと、電子マネーでピピッと会計。
Y:未来が楽しみだね。
K:22世紀になる頃には彼女出来るかな。
Y:出来るといいね。出来たら、サラッとかっこよくおごってあげて。
K:そうしよう。
Y:がんばれ。
じゃ、またね。
Y:ばいばい。