もし私が不老不死だったら、何もしなくなってしまうでしょう。
人生は有限だからこそ、頑張れるのです。
1年生が勉強に身が入らないのは入試までの時間が長いせいです。
3年生の今、思い切り頑張れるのは入試までの時間が短いからです。
これは人間として当然のこと。
長い時間があるのに全速力で走る人は、本能レベルでちょっとズレているのです。
1年生ですでに受験生並みに勉強している人は、目指すところが高いから今でもすでに「時間がない」と感じているか、
ゲームや漫画より勉強が楽しいという人でしょう。
そんな人でない限り、時間があるとゆっくりになり、時間がなくなると駆け足になります。
中学3年生の今の時期、少年清水は時間が急ぎ足で過ぎていくように感じました。
当時のクラスが好きだったので、離れたくない気持ちが強く、1日1日減っていく卒業までの時間を嘆いていたのを覚えています。
当時とは違った感情で、今またカウントダウンを見ています。
茨城県公立高校入試まであと31日。
大半のLilyっ子は合格が見える位置に来ました。
思い切り伸びた子、あまり変わらない子、ぎりぎりの子。
三者三様ですが、「どの子も第一志望校に見合う成績に収束する」という私の持論の正しさを証明しそうです。
残りはたった31日。
これくらいなら全速力でも走り切れる日数です。
入試前日になって「せめて1ヶ月前に戻れれば」なんて言ったとして、そして実際に戻れたとして。
それが今です。
今この瞬間にできることを最大限やりましょう。
31日というのは、私が3年生に勉強を教えられる最大の日数です。
どれだけ愛情を注いだところで、子供はいずれ巣立っていくように、
どれだけ情熱を注いだところで、3年生達はいずれ巣立っていきます。
子供の巣立ちはいつかはわかりませんが、3年生達の巣立ちは31日後と、はっきりわかっています。
終わりが見えているからこそ、指導にも熱が入ります。
この前、今度大学生になるLilyっ子Aさんが、大学入学前の課題の相談でLilyに来てくれました。
思い起こせば彼女も中学3年生のとき、背伸びした志望校の偏差値になかなか届かずにギリギリまで頑張っていました。
当時合宿があったなら、おそらく参加していたでしょう。
入試直前の2月にぐんと伸び、一気に志望校偏差値を突破して、安心して送り出したことが、昨日のことのように感じます。
あれほど頑張ったのは人生で初めてだったでしょう。
きっと今でも心に残っていることと思います。
そうやって、一人の人生の中にLilyの居場所がちょっとでもできたのなら、こんなに嬉しいことはありません。
彼女は大学生になるので、もう私が勉強を教えるということはないでしょう。
それでも、成人式や結婚式などの人生の節目には会えたらいいなと思います。
そんな大きな節目じゃなくて「彼氏ができました」なんて報告でもしてもらえたら嬉しいですね。
卒業して数年経っても、気軽に会える関係っていうのはいいですね。
中学3年生の後半、一緒に思い切り頑張った日々が、私と彼女を結びつけているのだと思います。
友達とも、恋人とも、親子とも違う、奇妙な関係。
先輩とも、同僚とも、上司とも違う、奇妙な関係。
学校の先生となら、こういう関係もありそうですけれど、塾の先生とってあんまりありませんよね。
どちらかといえばドライな私なので、卒業した生徒と絡むことは全くなくてもOKという感じでしたが、彼女を見ていると「大人になったら一緒にお酒でも飲もう」と言いたくなる人の気持ちがわかります。
ちなみに、そのセリフを言っていたのは、私が小学6年生のときの担任の男の先生でした。
実際、私は、私を含めた10人弱の同級生と、その先生を囲んで何度かお酒を飲んでいますので、その先生からしたら”念願叶った!”という感じなのかもしれませんね。
私も、同じ念願が叶うことを楽しみにしたいと思います。
Aさんに一生懸命向き合ったのは、こういう未来を想像していたからではありません。
当時は私もただガムシャラにやっていただけです。
奇妙な関係は狙ってのものではなく、ガムシャラさの副産物です。
今、目の前にいるLilyっ子たちも同じです。
将来一緒にお酒を飲むために、なんて考えていません。
というか、「将来一緒にお酒を飲めたら」なんてことは今、この記事を書いてて初めてそう思いましたし。
そもそも私、普段お酒飲まないですし。
未来のことは考えていません。
私が考えているのは、3月3日の入試までにどうやって学力を上げるか、です。
3月3日へのカウントダウンが始まった今。
残り31日。
目の前の生徒たちが、一問でも多くできるようになることを考えています。
31日……。
長いようで、あっという間なんでしょうね。
寂しさは募りますが、巣立たせることが私の役目ですからね。
感傷に浸るのは夜一人で記事を書いているときだけにして、目の前に生徒がいるときは私の役目を全うしたいと思います。