立場が逆なら、お互い逆のことを言っていたかもね。
学校で三者面談が始まりました。
今の時期のは、私立高校の出願確認のための面談でしょう。
学校の先生と塾講師の意見が対立することはよくあります。
塾講師からすると、学校の先生の「この高校は危ないぞ」というのが大袈裟に聞こえてしまいます。
例えば、偏差値55の子が偏差値50の高校を受験するとしても「危ない」という先生がいたりします。
この時期になると毎年「志望校を下げた方が良いのでしょうか」という相談が寄せられます。
学校の先生には、学校の先生なりの言い分があるのでしょう。
「高校浪人を絶対にさせない」とか
「無理して背伸びした高校に行ってもついていけなくなるから、その子のためにならない」とか
もしかしたら、高校側から「学力の伴っていない生徒を受験させないでくれ」とお願いされているのかもしれません。
私の数少ない経験の中の統計学(詰まるところ主観)では、学校の先生は安定志向の方が多いと思います。
もし私が学校の先生の立場にだったら、同じように「この志望校は危ない」と言っていると思います。
安定志向なのはその先生の性格というより、教師という職業がそうさせてるんじゃないかと思います。
塾講師の立場である今は「その志望校は危なくないから、挑戦する足を止めるな」と言います。
変えるなら直前でいい、と。
やるだけやって、それでも成績が上がらなければ志望校を下げればいいのであって、やる前から下げる必要は全くないというスタンスです。
その生徒のためを思うなら、対立した意見のどちらが正しいかは正直なところわかりません。
「背伸びした志望校に挑戦するのか」
「志望校を下げるのか」
「私立に変えるのか」
将来次第では、どちらの意見も正しくもなり得るし間違いにもなり得ます。
最近は私立大学に入りにくくなっていることもあり、大学進学まで考えると附属高校に入るのが正解になるかもしれません。
ここで今、私が考えていることは
「学力が足りないから」という理由で志望校を変えさせないようにしよう、ということです。
それ以外の理由は私ではどうしようもありません。
例えば「同じ中学校の友達が少ない私立高校に魅力を感じる」といった理由に対しては、私は無力です。
「その理由が一番の理由であるなら、その私立高校を受験するのが良いね」となります。
「一高は家から通うのはできないから、近くの二高にします」と言われた場合も、私は無力です。
私が一高まで送迎してあげるわけにはいかないので、そこはその意思を尊重します。
例えば、私立のハイレベルコースを第一志望として掲げている生徒がいるとして、
その子が「私立はお金がかかるから」という経済的な理由で県立高校に変えるというのであれば、私は黙って受け入れます。
そこは塾講師が関与できる範疇ではないからです。
でも「今の学力じゃハイレベルコースに行けないから」という理由で他に変えるというのであれば、私は反発します。
Lilyでは「学力が低いから」という理由での志望校変更を根絶させたいと思っています。
学校の面談の前後に、私に相談してくださるご家庭が少なからずあります。
その度に「学力を理由に、志望校を変えさせまい」と思っています。
私立受験までは二ヶ月弱、公立受験までは三ヶ月ちょっと。
それが過ぎて、また次の年になっても、学力不足という理由での志望校変更をゼロにするという気概を持って、私の仕事を全うしたいと思います。