最近、パレスチナのガザ地区のニュースがよく流れています。
極東の日本にいる私達にとっては関心のうすいニュースかもしれません。
高校、大学と、交友関係が広がっていく中で相手を理解するためにも、宗教や世界で起こっている出来事を学ばないといけません。
といっても、この問題は非常に複雑です。
ですので何層かに分けて理解していきましょう。
これは歴史や地理を勉強するにあたり有効な勉強法ですので、今回の中東問題を機に、勉強法も学びましょう。
まず一層目。超ざっくり行きます。
中東にパレスチナという地域があり、そこにユダヤ人が住んでいました。
しかしユダヤ人は周りの人にいじめられてしまいした。
ユダヤ人は世界中に散らばりましたが、その先でもいじめられたため、もともと住んでいたパレスチナに戻ってきました。
しかし、そこにはもうアラブ人が住んでいて、そのアラブ人と土地を巡って争いが起こりました。
その土地は分割され、一方はユダヤ人が住むイスラエルという国に、もう一方をアラブ人が住むパレスチナ自治区になりました。
その後も紛争は続いています。
はい、どうでしょう。
一層目はこれくらいざっくりで構いません。
ここで自分なりに反芻(はんすう)してください。
咀嚼(そしゃく)してください。
いいですね。
さあ、どうでしょう。
この文章を読むと「なんで?」と疑問に思う部分がたくさんでてくるでしょう?
その疑問を解くために2層、3層と重ねていき、理解を深めていくのです。
では、2層目にいきましょう。
当たり前ですが、大筋は1層目と全く同じですよ。
ヨーロッパ、アジア、アフリカの交差点である中東の地中海沿いにパレスチナという地域がありました。
「神に与えられた土地」であるその地にユダヤ人が住んでいました。
しかし、”交差点”に住むユダヤ人は周りの国々の人に邪魔者扱いされ、いじめられてしまいます。
追い払われるようにユダヤ人は世界中に散らばっていきました。
世界中に散らばった後もユダヤ人たちは頑張り、お金持ちになりました。
しかし、「お前が裕福だから、俺は貧乏なんだ」と文句を言われ、世界中に散らばった後もユダヤ人はいじめられました。
そうするうちにユダヤ人は「故郷のパレスチナに帰りたい」と思うようになり、少しずつパレスチナに集まって来ました。
しかし、パレスチナにはアラブ人が住みついていたのです。
アラブ人にとっては「自分が住んでいる土地をユダヤ人が奪おうとしている」と映ります。
ユダヤ人にとっては「自分が留守にしている間にアラブ人が勝手に住みついている」と映ります。
そうやって、土地を巡って争いが起こりました。
そこで世界の国々がパレスチナの土地を分割する案を出し、それに従ってユダヤ人国家であるイスラエルが建国されました。
今度はアラブ人が追いだされることになりました。
それをかわいそうと思った世界の国々がイスラエルを分割して、パレスチナ自治区というユダヤ人が住む場所を作ってあげました。
その後も土地を巡って、ユダヤ人とアラブ人が争いが続いている、これが中東問題です。
2層目はこれくらいで十分です。
ここまで読むと、さらにまた「なんで?」と疑問に思うことがでてきたでしょう?
そして3層目です。
こうやって、大雑把→詳細と学習していった方が「なんでなんで?それでどうなった?」という疑問が浮かびやすく、積極的に勉強する気になるでしょう。
これが能動的な勉強です。
3層目の説明をされる前に、気になって自分で調べちゃうという生徒が出たら、それは嬉しく思います。
ただ、今回は中東問題がニュースで流れていたので扱いましたが、この辺は受験勉強からはそれてしまいますし、自分の意見をしっかり持った高校生くらいから勉強するのがいいと思います。
自分の軸が無いと、かわいそうな方に肩入れしたくなったり、残酷な歴史に耐えきれず「人間こそ最大の悪だから消滅すべき」とか言い出しかねませんからね。
中学生のうちは、歴史の教科書の範囲内をしっかり勉強すること。
中学生の勉強がほぼ満点取れる生徒であれば、その枠を飛び出しても良いでしょう。
そうでなければ、まずは目の前のワークを解くことからですよ!