よく言えば集中力がある。
熱中する。
悪く言えば、依存する。
ハマること自体に善悪はありません。
ハマる対象によって、良いとも悪いとも言われます。
野球にハマった少年がメジャーリガーになれば、誰もがそれは良かったと言うでしょう。
どの分野でも一流になるには、ハマることが必須です。
しかし、ハマる対象がゲームになってしまうと非難されます。
少年清水もよく言われました。
「ゲームやるくらい、勉強すればいいのに」と。
日曜日、早起きしてファミコンやってました。
ファミコンをするためなら早起きもできてしまうのです。
でも勉強のために早起きなんてできませんし、する気もさらさらありませんでした。
こどもってそういうものですよね。
大抵が、大人の思い通りにはいきません。
危ないからと池の周りに柵を作れば、その柵の上を歩いたり。
雨の日の廊下は滑って危ないから走るなと言ってるのに、つるつる滑って遊んだり。
期待している行動と逆の行動をするイメージがあります。
子どもに限らず、人間ってみんなそういうものです。
文部科学省による、教師の魅力を発信し採用者増を目的としたTwitterでの「#教師のバトン」も、現役教師たちの愚痴や悲痛な声ばかり集まって、逆に魅力を落としてしまってますし。
なかなか思い通りにいかないものです。
我が子を勉強にハマらせたいと思っても、実際にハマる中学生は3%くらいでしょう。
スマホやゲームは、ハマるなと言ってもハマってしまうんですけどね。
ハマるとそれが生活の中心になります。
友人達と飲み歩くのにハマって、それができなくなるから仕事も辞めるといって、本当に仕事を辞めた人もいます。
まあ、私もスロットにハマって、それをするためにバイトをするという時期もありましたので偉そうに言えませんけれど。
ハマると、それをやっていないときでも頭の中で考えちゃいますよね。
例えば将棋にハマっている子だったら、学校の授業中でも将棋の盤面を頭に浮かべてると思います。
そして、将棋ができるかどうかが判断の基準となり、将棋をする時間がとれないのならそんな環境から抜け出してやると考えるでしょう。
ハマるというのはそれくらいパワーがあります。
ハマれるのは一種の才能です。
対象次第で称賛も非難もされます。
もし、非難されるようなものにハマってしまった場合の対処法は「1週間やめる」です。
禁断症状が出て1週間後、解禁されたら以前よりもっとハマる可能性もありますが、たいていは1週間のうちに別のものに興味が向きます。
例えば四六時中ゲームをやっている人からゲームを取り上げると、今までゲームしていた時間がぽっかり空きますがそこを埋める何かを必ず見つけます。
ゲームの次はアイドルかもしれません。
そうやってアイドルにハマったら、ゲームへの熱は冷めていきます。
代わりにアイドルへの熱が上がっていきますが……。
そうなんです。
勉強にはなかなか向かないんです。
ゲームを取り上げ、スマホを取り上げ、次はマンガにハマったら、マンガを取り上げ、そうやって取り上げていって、最後の最後に勉強が残る。
「暇だから勉強でもするか」となればいいですけれど、たぶん暇なら昼寝すると思います。
なかなか勉強に向かせるのは難しいですね。
でも、電子機器を遠ざけた結果、小説にハマったという子もいます。
その子は国語力が上がりました。
そういう例もあります。
でも、今の例にでてくることでおわかりのように、そういう子はあまりいないからパッと思い出せるのです。
たいていは、一つの遊びを取り上げても、別の遊びに向かうだけです。
それでもやらないわけにはいきません。
悪いことにハマったなら、断ち切らないといけません。
穴を埋めるガチャが当たるかどうかはわかりませんが、少なくとも今の悪いことよりは状況は良くなるでしょう。
遊びにハマる→1週間引き離す→別の遊びにハマる→1週間引き離す→また別の遊びに……
無限ループに見えますが、遊びもそんなに種類があるわけではありませんので、いつかは遊びから抜け出せるんじゃないかなと。
抜け出せなかったら抜け出せなかったで、その子にはそれくらい遊びが必要だということです。
その遊びがいつかのクリエイティブなことにつながったり、未来の仕事につながることを期待するしかありません。
大人から見て無駄だと思うことにハマれるのも学生の特権。
あの頃は馬鹿なことやってたなーと大人になってから笑い飛ばせばそれでいいのかもしれませんね。
ハマりから抜け出させるのは難しいですね。