一時的に「9月新年度開始」という風が吹きましたね。
現在、日本では4月から年度が開始されて、3月に終了します。
ちょうど桜の季節に、別れと出会いがあって情緒的で良いなぁと思っています。
でも、海外に目を向けると9月から新年度開始が多いようです。
そこで度々「新年度開始は9月にすべき」という議論が巻き起こるのです。
今回は新型コロナの影響で、4月5月が休校ですし、このまま終息するかもわからないので、思い切って8月まで休校して9月から新年度にしちゃえばいいじゃない、という意見が出てきたのです。
しかし、そう簡単にはいかないのです。
具体例で考えましょう。
2019年の9月にアメリカでは新年度がスタートします。
そして、2020年の4月に日本で新年度がスタートします。
ここですでに7か月スタートが遅れているのです。
この状態で、日本が2020年の4月ではなくさらに5ヶ月遅れて9月スタートにしたら、アメリカとは1年ずれてしまいます。
なので、9月新年度という話は本来であれば、海外との7ヶ月遅れを取り戻すべく、4月→3月→2月→……→10月→9月と、約半年を「前倒し」して海外に合わせるという予定でした。
しかし、ここ最近の急に出てきた9月新年度説は4月→5月→……→8月→9月の後ろ倒しということで盛り上がってます。
もし、今回9月新年度になった場合、例えば今の高3生は来春の2021年3月に卒業せずに8月に卒業ということになるので、予定より約半年遅れます。
海外に無理やり合わせるのであれば、現小学1年生を2020年9月スタートにすると同時に、もう一つ下の学年も2020年9月にスタートしないといけません。
そうすると今年だけ小学1年生が2学年分あるという事態に。
そうすることで、これからの小学生(2020年に幼稚園年長さん)は海外と同じになりますが、「現在の学生達は1年遅れのままでごめん!過渡期だから許して」ってことになります。
そこで取る手法はいくつかあります。
今回9月スタートにして海外より1年周回遅れが日本のやり方と開き直る。
遅れが嫌なら、飛び級制度をありにして、できる子にはどんどん進ませる。
それが無理なら、初回は小学1年生を通常の小学1年生と、通常であれば幼稚園の年長さんを1年生にして、年長さんの世代以降は海外と同じ周回に無理やり合わせる。
などなど、しわ寄せはいろんなところに来ます。
いずれにせよ、この短期間で解決できる問題じゃなさそうです。
今、自分が大学4年生だったらどう思いますか?
本来は4月にスタートするはずだったのが、約半年遅れて9月スタートになります。
2021年3月に卒業してその後就職してお金を稼ぐつもりが、2021年の8月に卒業になります。
私の予想では、9月新年度開始は無理でしょう。
なんとかして、3月に今年度を終わらせると思います。
よって入試も通常通り3月にあります。
すでに3ヶ月遅れています。
これに気づけているかどうか。
未来は僕らの手の中に。