かなり真理を突いている一言だなぁと感じます。
例えば、学校で、宿題をやってこない子がいるとします。
その子はなんで宿題をやってこなったかといったら、宿題をやる面倒さとやらない面倒さを比べたときに「やらない方がましだ」と考えてしまったからです。
実際にはそこまで深く考えてないのでしょうけれど、やらないという選択肢をした瞬間は、その方が面倒じゃないと感じているのだと思います。
学校の宿題をやってこなかった。
→先生にものすごく怒られた。
→居残りをさせられた。
→友達に「ヤラナイン」という変なあだ名を付けられバカにされた。
こんなことになる未来が分かっていて、それらを面倒だと感じるのであれば、宿題をやると思うんですよね。
でも、そういう未来がないのなら、宿題はやらない。
小中学生のうちに「宿題をやっておくと将来の役に立つ」なんて考えてやる子はいないでしょう。
もっと短絡的な「やると褒められる、やらないと叱られる」というレベルで物事を考えていると思います。
宿題をやらない子には「宿題をやらなくても面倒なことにならない」という状況を与えてしまっているのです。
これは私にも心当たりがあります。
宿題をやらなくてもお咎めなしですから。
これを「宿題をやらなかった場合は、やり終わるまで絶対に帰さない」だったらどうでしょう?
さらに強くして「宿題をやらなかったら、その量を2倍にして、夜10時以降は迎えにきた保護者にも教室に入ってもらい監視してもらいながら最後までやらせる。夜11時を過ぎても構わない。終わるまで絶対にやらせる」と決めたとしましょう。
これを1度でも実行したら、今後はその子は宿題をやると思うんですよね。
宿題をやらないことの面倒さの方が勝ってしまうでしょうから。
宿題をやることによる面倒と、やらないことによる面倒。
やらない方が面倒だと感じられれば、自ずとやるようになるというのもわかります。
大人だってそうですもんね。
「上司に頼まれたこの仕事、面倒だ。今やりたくない。」
と先延ばしにしていると、いつか期限を迎えて徹夜をする羽目になる。
徹夜のためには夜食を用意したり、布団を持ち込んだり、とにかく面倒。
そうなるくらいなら、今この仕事をやった方が良い。
こんな思考回路をしていると思います。
「上司に頼まれたこの仕事、面倒だ」と思ってそのまま放置したとします。
そして上司もその仕事を頼んだことを忘れていた場合、放置に気づきません。
そうすると部下は「ラッキー。やっぱりあの仕事はしなくて良かった」と思うでしょう。
こんな経験があると「上司に頼まれた仕事をすべてやる必要はない。上司だって忘れるのだから」と考えて、うまく手を抜くようになります。
今後は「上司に仕事を頼まれても、すぐにやらない」というスタンスになるはずです。
そうやって「やらない」ことを選択するようになってしまう。
これが「頼まれた仕事をやらないと、上司がネチネチずっと言ってきて、面倒くさいことになる」と思う人は、頼まれた仕事をすぐに終わらせるようになりますよね。
子どもも大人も同じ。
つまり、これは人間心理の真理ってことだと思います。
相手に「やった方が面倒くさくない」「やらない方が面倒くさい」と思わせられてないのが原因ですね。
行動する面倒さと、行動しない面倒さの天秤で、行動しない方が面倒だと思わせるには、パッと見、相手にとって嫌なヤツになることですね。
宿題をしなかったら、2倍の量を出して、22時過ぎても帰さずに終わるまでやらせる。
ペナルティが大きいと、相手を嫌な奴と感じるでしょう。
でも、そうすることで、だんだんと「宿題をする人」になるといろんなことが改善されていきます。
やがて自分の成長を感じたとき、その嫌な奴はいつの間にか良い奴へと評価が変わっていることと思います。
いつかそうなると分かっていても、その場で嫌な奴になりきれる人なんてそうそういません。
なぜなら、嫌な奴になるのもまた面倒だからです。
相手が、自分が頼んだ仕事をしなかったくらいで、ずーっとネチネチ言い続けるなんて、面倒なのです。
上司は上司で、言い続けるのが面倒だから、忘れたふりをしているかもしれません。
上司も部下も、お互い面倒なことを避けている結果、生産性のないチームワークが出来上がってしまいます。
これを読んでいる人の立場にもよりますが、もしあなたが親や上司の立場ならどうしますか?
私はもう一段階深く考えていることがあるので、次の記事にしたいと思います。
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