地位は人を作るという言葉があります。
それなりの地位につくと、その地位にふさわしい人間に成長していくという意味です。
私はこの言葉は本当だと思っています。
リーダーを選ぶ時、それにふさわしい人を選ぼうとしますよね。
でも、実は誰を選んでも、リーダーという地位にふさわしい人物になっていくのです。
ほんとかなぁ
そりゃ10人が10人全員ではないでしょうけれど、たいていの人はそうなるのです。
例えば、朝の挨拶で「おっはー」というフランクな挨拶しかできないA君が生徒会会長になったとします。
A君は全校生徒の前で挨拶をするときには必ず「皆さん、おはようございます」と言うでしょう。
逆に、A君が常に友達にも「皆さん、おはようございます」という人だったとします。
で、周りの友達が「A君は生徒会長にふさわしい」と言って生徒会長にするということもあるでしょうけれど、そもそも丸尾君のような中学生ってまずいませんよね。
普通は友達には「おはよー」くらいですよね。
でも、どんな生徒だって、生徒会長になったらちゃんと「皆さん、おはようございます」って言えるようになるのです。
さらに、生徒会長として見られているという意識が働き、生徒会長にふさわしくない行動はつつしむうになり、生徒会長にふさわしい行動をしていくようになる、と。
つまり、順番は「地位→成長」であって、「成長→地位」ではないということです。
地位を立場に置き換えて「立場が人を作る」という言葉にしても、同じ意味になりますね。
例えば受験生は「受験生になったからこそ、勉強をするようになる」という感じです。
「勉強をするようになったから、そろそろ受験生になるか」なんて人はいませんよね。
受験生という立場がその人の行動を変えていくのです。
ポイントは「周りが意識していること」です。
周りの人が「A君は受験生だから」って意識することが必要です。
なぜなら、地位や立場は周りの人によって作られるからです。
自分が勝手に「俺はリーダーだ」と言ったところで、周りがそう思っていなければ、その人はリーダーとして振る舞えなくなるでしょう。
周りが「あいつがリーダーだ」と思うからこそ、その人がリーダーになれるのです。
成長って、その人次第っていうイメージがありますけれど、実際は周りの影響が大きいということですね。
子どもに勉強させたいなら、周りの人は「この子は”1位を取る子”」と言い聞かせ、その地位を与えましょう。