リスニングのコツは音読にあり。
自分で英語を発するようになると、逆に聞き取れるようになるそうです。
これはなんとなくわかります。
自分の中にない単語は聞き取れませんからね。
日本語で「獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)ですね」なんて言われても、その言葉を初めて聞いたときには「え?なんだって?虫??」と聞き返してしまうと思います。
人は耳から入ってきた言葉を脳で変換して受け入れますから、その変換がうまくいかないと、自分の中に入ってこないのです。
その状態を「聞き取れない」と感じてしまうのです。
中学生英語のリスニングではあまりないと思いますが、「単位」もリスニングでは曲者です。
例えば、3メートルの大男と言われればすぐにイメージできますよね。
また、これは現実ではない、空想の物語の文章だというのもわかると思います。
2メートルならバスケットボールの選手とかにいそうですけど、3メートルとなると世界中どこを探してもいないでしょう。
でも「10フィートの大男」と言われたらどうでしょう?
フィートという単位を知らないと、それがどれくらいかわかりませんよね。
そうなるとフィクションかどうかもわかりません。
ちなみに10フィートというと、バスケットのゴールの高さ(3.05m)くらいです。
そう聞くと、あ、やっぱりこれは現実の話じゃなくて物語文だって気づけますよね。
リスニングの文中に「3 thousand miles」と出てきたとして、それがどれくらいの距離なのかがパッとわかりません。
3千マイルってどれくらいなんだろうと考えている間に次々と文章が流れていき、話の内容が頭に入ってこないということになってしまいます。
何も英語のリスニングに限ったことではありません。
日本でも「母を訪ねて三千里」とか「うちの田んぼは8反ぶりだ」なんて言われて、ぱっとその距離や広さを想像できるのは、普段からそれらの単位を使っている人だけです。
そうじゃない人はイメージできないどころか「たんぶり」なんて言われても聞き取れず、楽器のタンブリンを想像するのが関の山です。
つまり、英語に限らず、リスニングを強化するには、自分の中にある語彙を増やしていくしかありません。
自分の中にない単語は聞き取れませんし、語彙力がないと「ハチタンブリ」と別の言語に聞こえたり、見当違いのイメージを抱いたりしてしまいます。
語彙力を増やすには意識して難しい単語に触れないといけません。
頭を使うことから避けてばっかりでは、英語はおろか、日本語の話も通じない人になってしまいますから、ご注意を。