A「明日、雨が降るかなぁ」
B「 」
Bのセリフを考えてみてください。
もしBがロボットだったら「明日の降水確率は10%です」なんて答えるのでしょう。
でも、Bが人間で、Bは「Aが素敵な傘と長靴を買った」という背景を知っていれば「雨が降るといいねぇ」と言ってくれるでしょう。
そのシーンの背景により相手の考えを察することができるのが人間で、察することを苦手としているのが現代のAIです。
Aの明日雨が降るかなというセリフは降水確率を聞いているのではなく、雨が降ってほしいということを暗に伝えているのです。
文法的には間違った返答。
でも、情緒的には正しい返答。
これができるかどうかで、人間関係の距離感が変わってきます。
重い荷物を持った人がドアの前に立っていて「この荷物重いーー」と言っています。
それに対し「そうだね、その荷物は見た感じ15kgぐらいあるだろうね」なんて答えたら、「この人、話通じない」と非難されてしまうでしょう。
ドアを開けてあげるか、代わりに荷物を持ってあげるのが良いと思います。
確かに回りくどい言い方をせずに、直接「この荷物重いから持つの手伝って」と言ってくれれば、言われた方も行動しやすくなります。
そんな言い回しなら相手がロボットでも、思い通りに動いてくれるでしょう。
でも、直接的なことを言いにくいときも多々ありますよね。
それなのに、ロボットに言うように、相手に言わないと伝わらないのは結構面倒なものです。
「お母さん、アレとって」
「はい、お醤油」
これなら会話のテンポもいいですよね。
「お母さん、あれとって」
「アレとは何デスカ?」
なんて返したら「アレだよアレ、醤油に決まってるだろ」なんて喧嘩が勃発しかねません。
相手がロボットなら「伝わらなくても仕方ない。俺の言い方が悪かったんだ」とお父さんも反省するでしょうけれど、相手が人間だと「なんでこの状況を見て、わからないんだ」と責めたくなっちゃいますよね。
空気を読むとか行間を読むと言われるこの人間特有の行動、身につけて置いたほうがいいですよ〜。
そんな私も修行中。
がんばります。