頭を垂れた稲穂を一気に刈る季節がやってきました。
今年は一週間遅いようですが。
農作業が重労働だったのは過去の話。
今や機械が躍進して、軽作業の仕事になりました。
AIが仕事を奪うと騒いでいる現代ですが、機械も多くの人の仕事を奪いましたよね。
でも、それが悪かったかというとそんなことはなく、良い方向に進んだんではないかと思います。
産業革命によって機械が発達した当時は、その機械に仕事を奪われた人々が怒り、機械を壊して回ったという話を聞きました。
まぁ、実話でしょうね。
そういうことをする人って必ずいると思います。
AIの登場で仕事を奪われると恐れている人々がAIに立ち向かわないことを祈ります。
だって、機械があって良かったと思えたように、AIがあって良かったと思える時代が必ず来ると考えてますから、私。
話を農業に戻します。
今や軽作業が中心になった米作りにおいて、一番の重労働と言えばなんでしょう。
答えは「籾摺(もみす)り時の米袋(30kg)の積み上げ」です。
これも小さな農家は手作業でやりますが、大きな農家となるとこの作業を省けるため、大きな農家ほど重労働がなくなっていきます。
うちは小さな農家なので、いまだその重労働が必須なのです。
でも、私の父はもう70才近く。
重労働ができる年齢ではありません。
そこで、私の出番がやってきます。
30kgの袋を一つ一つ積み上げていきます。
1段に7袋ずつ。
3段。
このあたりはそこまで持ち上げる必要がないので楽勝です。
6段目。
ここら辺になると、腰より高い位置に持ち上げないと行けないので、力が必要です。
うりゃー!っとやります。
7段が終わり、最後にこの上に1袋積み上げ、50袋にして1パレット完成です。
この作業、大きな農家はやらないんですよ。
30kgの袋に小分けにせず、1トンの入れものに一気にいれ、そのまま納入するという手法をとります。
大きな農家には、大きな機械や大きなトラックがあるので、それらが活躍するのです。
大きな機械のない農家はうちのように人力で小袋を積み上げるのです。
効率や生産性で言えば絶対に大きな農家がやったほうがいいんですけれど……。
そのうち、継ぎ手がいなくなって、小さな農家は大きな農家に吸収されていくと思います。
私はそれを歓迎します。
その方が、日本全体にとっても良いですよね~。
大きな農家が効率よく農業をして、今まで兼業農家をしていた小さな農家は人手が足りない介護職などに回ったほうが良いですよね。
そう思えど、なかなか今までのルールを変えられないのが人間ってなものです。
とくに田舎の人間は保守的です。
自動運転の車が流行る前に、自動運転の農業機械がやってくるでしょう。
自動運転の機械を作っている人がいれば。
車よりハードルは低いはずです。
売れる数が車より圧倒的に少ないので、誰も開発していないかもしれませんが……。
まぁ、いずれはそういう時代が来るでしょう。
そうしたら、どんなに保守的な人間であっても、変わらざるを得なくなるでしょう。
早くそんな未来が来ないかなぁと考えつつ、積み上げ作業終了です。
お疲れさまでした!