勉強させるためにご褒美で釣ってはいけない
最近はそんな論を耳にすることも多くなりました。
テストで100点とったら、〇〇を買ってあげるという手法ですね。
短期的な効果を考えれば、ご褒美で釣ったほうが勉強をします。
でも、それを繰り返すと「ご褒美のための勉強」になり、いつか「ご褒美をもらえないなら勉強しない」となってしまうということです。
つまり、勉強をしたいからするのではなく、ご褒美のためにするというものです。
ご褒美が得られるのであれば、別に勉強でも運動でも仕事でも何でも良いということですね。
好きこそものの上手なれという言葉があるように、勉強自体が好きな人には敵いません。
ご褒美によって勉強し始める子は、ご褒美なしで勉強する子には勝てないのです。
だから、ご褒美で釣って勉強させることは良くないと。
これはまさにそうなんですけれども……。
私の意見
私はというと、ご褒美なしで勉強する子の方が学力が高くなるとは思いますが、ご褒美なしで勉強させられる家庭はそう多くないと思います。
勉強自体を好きになればご褒美は望まないはずと言っている大人自身がお金というご褒美がないと仕事をしないんじゃないかなと。
仕事を好きになれば、給料がそれに見合わなくても問題ないかと言われたら、そうでもないでしょう?
私は収入が得られないなら仕事はしませんよ。
週末の仕事終わりにパフェを食べる約束があるから頑張れるとか、今度の連休に旅行の予定があるから頑張れるとか、そういったご褒美を自分で作って自分を奮い立たせている人も多いと思います。
これはこれでいいんじゃないかなと。
中学生の場合、ご褒美に釣られて勉強し始めたとしても、それがそのうち本当に勉強が好きになる可能性もあるわけです。
だから、きっかけとしてご褒美で釣るというのがあってもいいと思います。
ご褒美をあげた後
ただし、ご褒美でもNGなことがいくつかあります。
例えば、10位以内に入るという目標を掲げ、それが達成できたらスマホを買ってあげるというご褒美だったとします。
結果が11位だったとき、頑張った姿も見ていたらなおさら、これならご褒美をあげてもいいかなと思ってしまいます。
でも、約束は約束。
達成したらあげるという約束を守るなら、達成しなかったらあげないという約束も守るべきです。
スマホは長く使えるものです。2ヶ月で飽きるようなものではありません。
何年も使えるものなのに、たった1回のハードルを越えただけでスマホを手にしてしまうのは、労力とご褒美のバランスが悪いのです。
例えば、最初のご褒美(スマホGET)が30位以内だとしたら、その次のテストで30位以内から落ちてしまったらスマホを没収するという約束がいいでしょう。
こんなふうに継続的にハードルを作りましょう。
もちろん、達成できなかったら、次のテストで達成するまでお預けです。
これを約束できるのであれば、スマホを与えるのも良いと思います。
スマホの場合、使用状況を隠したり不正したら取り上げるというルールも加えておくといいでしょう。
すでにスマホを買い与えてしまったご家庭では、今更取り上げるというのはかなり難しいと思います。
これからスマホを買い与えるご家庭は、同じ失敗の道を辿らないようにするチャンスがあります。
それが、買い与えるときです。
スマホを欲しがる子は何をしてもほしいので、勉強も頑張るはず。
多少、自分に不利な項目が入っていても、条約を結んでしまうのです。
それは「手に入れた後、ゴネればなんとかなる」という甘い考えがあるからです。
それを最初に摘み取っておかないと、スマホを与えたことを後悔することになるでしょう。
ご褒美がスマホではなく「ワンピースがほしい」とか「新しいバッシュがほしい」であれば、1回のテストがちょうどいいと思います。
switchやプレステ、スマホなどとはちょっと違いますからね。
こうやって、ご褒美の効力を見極めて、バランスの良い条件を見つけてください。
スマホやゲーム機など継続的に使用できるものは、取り上げる条件も必ずつけてください。
ご家庭で決めかねている場合はぜひご相談ください。