高校時代の話です。
私のクラスの古典の先生は古典文学が大好きなおじいちゃんでした。
古典に出てくる物語を、ときに吹き出しながら楽しそうに話してました。
別のクラスのもう1人の古典の先生は40代の男性で、バリバリ古典文法を教える先生で、覚えていない生徒を追及するような厳しい先生でした。
対象的な二人の先生、どちらも人気がありました。
厳しい先生は授業中は厳しいのですが生徒思いですので、それを生徒もわかっていたという感じですね。
おじいちゃんの方は人気というより「甘いから良い」みたいな感じですけれど……。
厳しい先生のクラスの生徒はおじいちゃんクラスを羨んでいました。
高校生にとっては「甘い」方が好まれます。
しかし、その評価もテスト後に一変します。
おじいちゃん先生クラスの平均点と厳しい先生のクラスの平均点はまるで違っていたのです。
まるで別のテストを受けていたかというくらい。
そして1年が終わる頃、古典は厳しい先生の方が良かったという声のほうが大きくなるのです。
授業時にはただ厳しいだけだと思っていたけれど、今思えば古典で点数を取るために必要な力をつけさせるべく厳しくしてたんだなということがはっきりと分かるのです。
だから、厳しい=嫌われるという式は成り立ちません。
ただ、これは世の中の大半の人もわかっていることだと思います。
あえて記事にするようなことではありません。
「一般的にはこう思われてるけれど、実は逆」という例もたくさんあります。
例えば、日光浴をすると良いとか、こんがりと焼けて健康的というように、以前は太陽を浴びることは良いと言われてきましたが、実は日焼けは良くないと最近言われています。
一般的な印象と実のところは逆ということです。
徐々に「実のところ」が知られてきて、今はどっちが正解かよくわからない状態な気もしますが……。
こういうことが塾業界でもあるわけです。
例えば「個別指導の方がよく見てもらえる」みたいな。
これについては、どうなのかなーと。
物理的な話であれば、そうだと思います。
30人のうちの1人より、2,3人のうちの1人のほうが、物理的に見る時間が長いですからね。
でも「よく見てもらえる」という発言に「物理的によく見てもらえる」という意味は入ってないと思います。
やってる内容や、姿勢、学力をよく見てもらえるってことですよね。
個別指導の方がよく見てもらえる……ほんとかなぁ
と思ってしまうんです。
私が以前勤務していた塾では集団授業で教えていましたが、頻繁に机間巡視もするし、ノートもよく見てるので、その教室内の生徒はほぼ把握できていました。
ピンチヒッターなどで個別指導したことも数回ありましたが、生徒に直接教えればもちろん把握できます。
でも、直接生徒に教えるのではなく、一歩引いて、生徒と講師を管理する立場に回ると、途端に見えなくなるという状況でした。
集団授業をやりつつだったので、そうなってしまったのかもしれませんけれど……。
だから「個別指導の方がよく見てもらえるから、個別指導の塾に」という意見には賛成しかねます。
個別指導の塾を選ぶのは構いませんが、それ以外の意見で選んだほうがいいんじゃないかなと思うのです。
例えば、集団授業で「ノートをとれ」と言われても、うちの子は手を動かさないから、隣に講師が座って手を持ってでもノートをとらせてほしいとか。
それなら集団授業で成績を伸ばすのは難しいので、個別指導じゃないとっていう意見が出ても良いと思います。
実際にそのレベルだと、個別指導どうこうの問題じゃないと思いますけど……。
よく見てもらえるかどうかは教室長次第だと思います。
良くも悪くも教室長によって色が出ますからね。
個別指導でもこんな塾ならしっかり見てくれると思います。
ふじみ野駅近くにある市進グループの個別指導・学習塾。 趣味「勉強」の塾長が運営しています。小学生・中学生・高校生対象。保…
今回のは一例でしたが、これ以外にも一般的な印象と実のところは逆というのがいくつか思い浮かんでいるので、また記事にしたいと思います。