人に好かれるのと、嫌われるのはどちらが良い?と問われれば、ほぼ100%が好かれる方と答えるでしょう。人に好かれた方が良いに決まっています。
勉強するのと、しないのはどちらが良い?と問われれば、ほぼ100%が勉強する方が良いと答えるでしょう。
それであれば、勉強する理由を考える必要はないのではないしょうか。
良い大学に行くためとか、良い会社に就職するためとか、そういう理由は必要ないと思います。
だって、良いものは良いんですから。もう勉強する理由が出ているわけです。それ以上の理由なんていりませんよね。
それを認めないまま子どもを勉強させようとするから説得が必要になり、説得のために理論武装が必要になり、「良い大学に行くためには勉強が必要だから」というような理由になるわけです。
でも、そうやって説得を試みたところで「別に良い大学に行く気ないし。そもそも良い大学って何よ?」と反論されて撃沈するわけです。
相手を説得しようと、あれやこれやと策を練りすぎてるのです。
「良いものは良いんだから、勉強しなさい」でいいと思います。
中には「勉強は良いものだなんて思わない」と言い返してくる子もいるでしょう。その時は「本当にそう思わない?じゃあ、良いと思わない理由は?」と詰めていっても良いと思いますし、「お前の意見なんて知らん。勉強しなさい」で良いと思います。
いつかも記事にしましたが、子どもの主張を通すことがすべてその子のためになるとは思いません。子どもには見えないことが親には見えていることなんて多々あるのです。
字は上手な方が良い。大人になってから分かること。 挨拶はきちんと出来たほうが良い。 お箸はちゃんと持てたほうが良い。 鉛筆もちゃんと持てたほうが良い。 脱いだ靴は揃[…]
世の中の親は子どもの顔色を伺いすぎなところがある気がします。子どもが高校生になるくらいまでは親の価値観をもろに押し付けて良いと思います。そのかわり、親も善し悪しの判断力を磨かないといけませんよ。
私の娘はまだ1才8ヶ月。おしゃべりもできません。でも、すぐに話すようになり自己主張もしてくるでしょう。そのとき、何が良くて何が駄目なのかをきっちり教えないといけません。
ただ、そのときに細かい理由はいらないと思っています。
「どうして人を殺してはいけないの?」なんていう質問が飛んできたら「それは良くないから」と答えます。「なんで良くないの?」と突っ込まれたら「理由はなくても良くないから」とか「理由はわからないけれど、私は良くないと思っているから」と答えます。
子どもがもっと成長して、自分の考えを論理的に説明できるようになる頃には
「私は人を殺したくないし、殺されたくもない。もちろんお前を誰かに殺されたくないし、お前が誰かを殺すこともしないでほしい。殺すという行為には絶望が必ずセットになっているから、絶望する人を増やさないために殺しちゃだめ」という風に自分の考えを言うと思います。
相手を説得させるためのとってつけたような理由は、相手には響きません。
それよりは自分の強い感情をそのままぶつけたほうが効果があると思います。
「なんで勉強しないといけないの?」と聞かれたら「理由は私にもわからないから、自分で考えて。でも私はお前に勉強してほしいってものすごく思ってるよ」と答える感じですね。
行動は速い方が良いと皆が分かっていますが、行動できない人はたくさんいます。
その人たちに向けて「行動が速いとこんなメリットがある」とたくさん並べたところで「そうか、そんな良いことがあるなら行動するか!」となる人は残念ながら少ないでしょう。
「行動は速い方がいいんだから、今すぐ行動して!!!」と言ったほうが伝わると思います。
あれやこれや理由を聞き出そうとする人は、そもそもそれをしたくない人です。
勉強したくないから、勉強しなければならない理由を聞こうとしますし、
行動したくないから、行動した方がいい理由を聞こうとするのです。
そうやってその問答をやっているときは「勉強しない」「行動しない」ことが正当化されますからね。
「今、質問中なの!理由をちゃんと聞いてからやるよ」って主張してきますが、そういう人は理由を聞いたってやりません。
だから、「良いものは良い。悪いものは悪い」でシャットアウトしちゃっていいと思います。
とくに自分の子どもに対してであれば、臆せず行きましょう!
それが結局その子のためになるはずです。