友人から知った、最近ネットで話題のアンケート「Cの次に背が高い人は?」からいろいろ考えました。
まず、そのアンケートというのがこちら。
Bの身長は155cm
Cの身長は160cm
Dの身長は165cm
Eの身長は170cm
この5人の中で、Cの次に背が高い人は?
最初に断っておきますが、これに正解はありません。解釈が複数存在するだけです。
私はBだと思いました。でも、約半数の人はDと答えるそうです。
Bと答える人は5人を背の高い順に並べ、3番目に背の高いCの次に高い人、つまり4番目に背の高い人という意味でBと答えます。
Dと答える人は5人を背の低い順に並べ、3番目に背の高いCの次の背の高い人、つまりCの後ろにいる背の高い人という意味でDと答えます。
Dと答える人は「次の」高い人であって「次に」高いではないから、おかしいと私は思ってたのです。
こんな風に、自分の主張を通すために相手の意見の矛盾点をつくわけですが、ネット上のその応酬がすごいなと思いました。
Dの人は「日本で富士山の次に高い山は?」と聞くと、存在しないって言うのかな?
ふむ、確かにこう言えば「『次に高い』というのは、『基準のCをのぞいて、そのCより低い人たちの中で一番高い』という意味になるね」とDと答えた人達も納得してくれそうです。
日本で富士山(3776m)の次に高い山はと聞かれたら、北岳(3193m)と答えますしね。C(160cm)の次に高い人はD(155cm)というBと答えた人の主張もわかってくれるでしょう。
こんな風に、相手を納得させる言い回しがぱっと浮かぶ人ってすごいですよね。
でも、数学で「3の次に大きな自然数は?」と聞かれたら4と答えます。さっきの解釈で言えば「基準である3を除いて、その3より小さい数の中で一番大きい自然数といえば2だよね」となります。
なのに、3の次は4と答えてしまうのです。これは1,2,3,4,5…と数字が並んでいるという前提で答えているからですね。
さっきとの違いは「1, 2, 3, 4, 5の中で」という条件がないことです。もしその条件があれば、3の次に大きな自然数はと言われたら、2と答える気がします。……いや、これでも4と答えますかね。数字の場合は勝手に並んでいる前提になってしまうんですよね。
これが「3,1,5,4,2の中で」と言われたら、3の次に大きな自然数は2と答える気がします。
ということで、解釈の違いは「並んでいることを前提にしているかどうか」ということと「その並び順(背の低い順か、大きい順か)」ということが絡み合って生まれてしまうということです。
そして、この話題は最後にこうまとめられています。
ネイティブの直感……今回の場合、日本語の話なので、日本人の直感……
アンケートの回答を見るとDが最多で50%、Bが34%……
ということはDが正解となっちゃいますね。
その結果には納得いきませんが「言語の解釈はネイティブの直感が正解」という意見には賛成です。これについてはまた別の記事にしたいと思います。