GW中に塾が開いているとしたら、どう思いますか。
勉強をしたいと思っている人は肯定的に、したくない人は否定的に捉えるでしょう。
「GWに塾開いているんだ、ラッキー!勉強しに行こう」と思うかどうかで、自分が勉強に対する意識がわかります。
おそらく9割の生徒はGW中に塾に行けてラッキーとは思わないでしょう。私も多数派です。
でも、親としての視点に立つとどうでしょう。
私の娘はまだ1才なので、遊ぶことが仕事です。ですから、塾はまだ関係ありませんし、大いに遊んでほしいと思っています。
やがて娘が小学生高学年から中学生くらいになっても同じことが言えるかと問われたら、言えないと答えるでしょう。
そのくらいの年齢になると勉強する時間もしっかりとってほしいと思います。
しかし、連休中の自宅で勉強時間を確保させられるかと言えば、かなり怪しいです。
うちでは田植えがあるので、その手伝いはもちろんのこと、それ以外にも親戚が来たり、買い物に行くとなったり、とにかくいろんなことが起こります。
その中で子どもの学習時間を1時間でも確保するのは難しいと思います。
子どもにただ「勉強しなさい」と言うだけでは駄目だと思っています。そう言うからには親である自分も勉強しないといけません。
子どもの隣で、私も勉強します。
逆に言えば、私が勉強しなければ、子どもに勉強しなさいと言えません。
ということは、私自身の勉強時間を確保しなければ、子どもに勉強させることはできません。
今年の連休中、私自身が勉強時間(仕事時間)に当てた時間はほとんどありません。子どもが寝ているときの2,30分の細切れの時間くらいです。ようやく今日、まとまった仕事時間を作れたのです。まだブログしか書いてませんけれど……。
これが毎年同じように続くわけで、そんな中で自身の勉強時間を作るのは難しいということは身にしみて分かっています。
となると、頼もしいのが塾の存在です。
自分は買い物に行ったりしていても、その時間に子どもを塾に預けられれば、親は買い物で2時間、子どもは塾で勉強2時間という時間の使い方ができるようになります。
(実際は「私は2時間買い物に行くけど、あなたは家で2時間勉強してなさいね」と言ったところで、たいていの子どもはやらないと思います。「ずるーい。私もお買い物に行きたい!」と言ってついてくるの普通でしょうけれど……。)
本来は子どもに家で2時間勉強させたければ、親も家で2時間勉強しなければならないのです。
忙しいのだからそんな時間を作れるわけがないという親の救世主が塾です。
そんなことを言ってくれる塾はありがたいと思います。ですので、親の立場になると、GW中も塾は開いていてほしいのです。
しかし、Lilyは休校です。
もし開けてしまうと生徒は「ほら、塾が開いているんだから、行って勉強してきなさい」と言われてしまいます。
そして結局行かなかった場合「塾が開いていたけれど行かなかった=自分は勉強する気がなかった」となってしまいます。親からも「塾が開いていたのに」と常に責められ続けてしまいます。
「塾に行かなきゃ」と思いながら遊ぶのと、そういうのを一切考えずに遊ぶのでは楽しさが違いますからね。
せっかくの連休が曇ってしまいます。
入試から一番遠い連休がGWです。次の連休は8月のお盆です。そして、年末年始。この頃になるとさすがに受験生自らが「塾に行って勉強したい」となります。
しかし、今はGWです。
受験生にとっては勉強を一切気にせずに過ごせる最後の連休と言ってもいいでしょう。
勉強を一切気にしないためには、塾が休校であることが必要です。
そんな理由で休校なのです。
決して自分が休みたいからではありませんよ!(笑)
現に、こうして誰もいない塾で一人、小テストを作ったり、解説ビデオを作ったりしているのですから。
私としてはこの時間を開校しても何ら問題はありません。
しかし、開校すると親と子の「塾行けバトル」が始まるので、しません。
平和が一番です。
こんなGWの連休の中、自宅で勉強に向かっている生徒がいれば、それは大いに褒めてあげてください。
それは当たり前のことではなくて、もの凄いことのなのです。
大人がGW中に自分の勉強時間を作るのが難しいのと同じくらい難しいことをやっているわけです。
GW中の勉強時間は0時間が普通です。親だって、自分の勉強時間はたいてい0時間でしょう。
だから、子の勉強時間が1であっても、1になった瞬間に親は褒めてあげてください。
1でも凄いんです。
10連休もあるんだから、1日1時間で10時間が普通でしょなんて思ってはいけません。
同じことを言われたら親だって「10連休であっても、10時間も自分の勉強のために時間を作れない」って言うでしょう。
それなのに「10時間くらい自分の勉強するのが普通だよ」なんて言われたら腹も立つでしょう。
10時間が当たり前ではなく、0時間が当たり前なのです。
1時間であっても凄いんです。
こうやって子の凄さを認めてあげられる家庭では、子はやがて1時間から2時間、3時間と勉強時間が増えていきます。
最初の1時間で「それくらい当たり前、もっとやらないと」と親が言ってしまう家庭では、そこで子のやる気がなくなります。残念ながら子どもの勉強はそこで終わります。
GW中は勉強をしなくても大丈夫です。
とはいえ宿題が結構出ていると思うので、それをやらないといけないって生徒は思っています。
その時点で追われているので、塾開校という追い打ちをかける必要はないと思っています。
GWは勉強を一切気にしなくていいと言いつつも、実際は学校の宿題が出ているので、完全に0にできないと思います。でも、世の中そんなものですからね。オンとオフを完全に切り分けられるほど単純ではありません。
宿題をこなすだけでも5時間くらいはかかるはずです。
でも、それも凄いことですからね。
宿題だからやって当たり前ではありません。
当たり前は当たり前なんですが、当たり前をできることはもの凄いことなんです。
世の中には当たり前を当たり前にできない人は山程いるのですから。
挨拶をする、脱いだ靴をそろえる、お箸をきちんと持つ、そんな当たり前は全員できているかと言われるとそうでもないでしょう。
1歳の娘は「きちんと挨拶ができて偉いね」と言われます。当たり前ですけれど、それができたら偉いのです。
中学生になっても同じです。当たり前ができたら偉いのです。
だから、宿題をやったら凄い、勉強時間が0じゃなくなったら凄いと褒めてあげてください。
毎回「靴を揃えて偉いね」なんて中学生に褒めるわけにもいかないと思います。毎回褒めてたら「馬鹿にしてるのか」と言われてしまいますしね。
でも、親戚の家に行った時にそうしていたとか、普段とちょっと違ったときは褒めるチャンスですので、たまに褒めてあげてください。
改めて見てみると、我が子は当たり前のことを当たり前にやっているなと感心できるはずです。もし出来ていなかったら、注意するきっかけにもなりますしね。
注意だけして褒めないっていうのは駄目ですよ。できないところばかりに目が行ってしまって褒めるのが苦手なお母さんも結構いるようですが、褒めましょう。
注意も褒めも、平等に。
できていなかったら注意するのは良いです。でも、できていたら褒めるのも忘れずに。
生徒のためとはいえ、GWの休校は講師の私にとってもとても貴重な時間となりました。
これを受け入れてくださっている保護者の皆様には感謝しています。
生徒の成績を気にせずに気楽に休めるのもGWが最後です。
GW明けからはガンガン飛ばしますので、心しておいてくださいね!