福沢諭吉が言いたいのは「人はみな平等だ」ではない

世の中に発信した言葉は、切り取られて広がってしまう可能性があります。

「人を殺しても構わない」なんてことは絶対に許されない。
こんな文章を書いたとしましょう。筆者の主張は「人を殺しても構わない」ではありませんよね。その逆の、そんな考えは絶対に許されない、つまり「人を殺しても構わないわけがない」ということです。
 
でも、その主張をするために「人を殺しても構わない」の部分を書かないわけにはいけません。どうしても文面上に残ってしまうのです。
 
その部分を切り取って拡散されたらどうでしょう?
 
筆者は多くの人から批判されてしまうでしょう。拡散された情報がデマだと信じてもらうまでは。
 
 
実は、夏目漱石も同じ目にあっています。彼の有名な作品がありますよね。学問のすすめです。その冒頭のワンフレーズはあまりにも有名です。
 
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。
 
この言葉がひとり歩きして「ほら、夏目漱石も言ってるでしょ。天は人の上に人を作らずって。みんな平等なのよ」と言う人も出てきてしまうほどです。
 
でもこれは夏目漱石の主張ではありません。自分の主張をするために、一度一般論を言っているのです。
 
本当の主張を噛み砕いて言うと
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」って言うよね。生まれながらにして平等だから、誰かを支配したり誰かに支配されたりしないで、楽に生きていこうよって言いたんだよね。でも、この人間世界を見渡すと、賢い人も愚かな人も貧しい人も富める人もいて、その上下には雲泥の差があるけど、これは一体なんでなの。理由がわかってきたよ。学ぶか学ばないかだ。学ぶ人は貴人になり、学ばない人は下人となるんだ。だから、学問をすすめるよ」
ということなんですね。
 
確かに、天は人の上に人を造らず、生まれながらにして平等だとも言ってますが、それ以上に「生まれた後の差は学ぶかどうかによる」と言っているのです。だから「学問のすすめ」なんですね。
 
 
自分の主張をするために、一度一般論を言うという手法はほぼ全員が使うでしょう。例に漏れず夏目漱石も使っているわけですが、冒頭の一行しか知らない人はそれに気づかず「夏目漱石が人はみな平等だって言ってるよ」と言ってしまうんですね。
 
 
日常でよくある誤解ですが、こういったことも国語の勉強を通して気づいてもらえるといいと思います。


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