塾の権利と責任
塾には生徒に勉強を教える権利があります。同時に、生徒ができなったときの責任もあります。
一言で言えば「勉強に関することで、生徒ができないのは塾の責任」ということです。
「塾でも教えなかった問題が出ちゃったから仕方ないね」なんて言う塾講師は失格です。どんな問題がでるかをきちんと把握して、それをしっかり教えるのが塾講師の役割です。「仕方ない」で済ませるのであれば、そんな塾なんていらないということです。だったら、塾に通わずに「対策してない問題が出て、それはできなかった」という方がお金を払ってない分だいぶましだったはずです。
テストで想定外の問題が出たとき、それを対策してあげられなかった自分を責めるのが塾講師として正しい姿勢だと思います。
生徒本人の権利と責任
生徒本人は勉強する権利も、勉強しない権利も持っています。どちらを使うにしても、その結果を負うという責任があります。自分の人生です。どう転んでもひとのせいにできないのです。
親が、親の役割をまっとうして、きちんと睡眠時間も勉強時間も確保してくれたとします。その中で、勉強をするかしないかは本人次第です。勉強時間があるからといって、勉強しなければならないわけではありません。自分はもう十分だと思えば勉強しなくたっていいのです。
そのかわり、どんな結果が出ても責任は自分にあるということです。
塾講師が教えてくれなかった問題は塾講師のせいにして構いません。しかし、教わった問題ができないのは自分の責任です。単純に反復練習が足りないのです。
反復練習する時間はきちんと親が確保してくれています。それなのにやらないのは自分のせいです。もちろん、親がスマホを取り上げなかったり、海に遊びに連れて行ったりと勉強時間を奪うようなことをしていたのであれば、それは親の責任です。そうでなければ自分のせいです。
もう一度言いますよ。
塾講師が教えてくれなかったら塾講師のせいです。
でも、親が勉強時間を確保し、塾講師が教えたにも関わらず、それでもできなかった場合は本人のせいです。
できない一番の原因は「反復練習不足」です。反復練習するための土台は親と塾講師が作ってくれたにも関わらず、反復練習しないのは自分のせいです。
その隣にもう一つ丸を描いて「塾の責任」と書きます。
これらの2つの丸を囲む大きな丸を描きます。それが「自分の責任」です。
塾で習った問題をテストでは解けなかったとしたら、塾の責任でもあり、自分の責任でもあるということです。
そして何より、自分の人生の責任は自分が負うという大原則があるのです。塾講師はもちろん親でさえも、本人の人生を負うことはできません。こうした方がいいというアドバイスはできても、その通りに本人の体を動かすことはできないのです。
自分の体は自分しか動かせません。いくら手足に紐をくくりつけて、操り人形のように動かしたって、そのまま最後まで動かし続けることはできません。
結局、体を動かすのは自分の意志です。
志望校だって同じです。周りは「一高にしたほうがいいぞ」とアドバイスはできますが、本当に一高を目指すのは本人しかできせん。自分の意志がないと最後まで体を動かせないのです。
睡眠不足は親のせい、対策してない問題をテストで解けないのは塾のせい。確かにそれはそうなのですが、最後は自分に降りかかってきてしまいます。できなかった理由を親や塾など自分の外にあるものに求めても、自分の人生は好転しません。
自分の人生において、それだけ大きな権利と責任があるということをまず自覚しましょう。
最後に
塾講師である私は、生徒ができなかったら私のせいだと思っています。生徒がテストでできなかったら、次はどうしたらできるようになるかをいつも考えています。「私はここまでやったんだから、できなかったら生徒のせい」と投げることはしません。最善の対策を追求することが塾講師の道だと思っています。そしてそれは終わることなくずっと続いていくでしょう。
生徒の皆さんも「どうせできない」と投げたり、「失敗しても自分の人生なんだから、周りには関係ないでしょ」と言ってふてくされたりしないように。私の選んだ塾講師の道のように目的ややることがはっきりしていないかもしれませんが、どんな道を歩むにしても最善の対策を追求する姿勢が大切です。ひいては自分を信じることが大切です。
まずは高校受験までたった数年の道です。一緒に楽しみながら歩きましょう。