今日も日本語についてです。
水滴石穿(すいてきせきせん)とは、水が滴(したた)るような微かな力でも、いつかは石に穴をあけるような大きな効果をもたらすという意味です。水滴が落ちるところの石はその部分だけ穴が空いていることがありますね。
似たような意味のことわざに「塵(ちり)も積もれば山となる」がありますね。メジャーリーガーのイチローに言わせると「小さいことを重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道」となります。
この水滴石穿という四字熟語はもともとは漢文から来ているので、書き下し文にすると「水を滴りて石を穿つ」となり、日本では「点滴石を穿つ」とか「点滴石をも穿つ」という形で用いられるようです。個人的には「も」が入っている方が好きです。あの硬い石さえも穴をあけてしまうのかという驚きの感情が入っている気がするからです。
水滴と点滴というふうに違っているのは、それぞれ「漢書」と「鶴林玉露」という別の書物で書かれていたからのようです。どちらも正解ですが、日本では点滴の方が多く使われるみたいです。私は水滴の方が風流な気がするので「水滴石をも穿つ」っていうのが一番良いんですけどね。
実はこの水滴石穿について書こうとしたのは別の目的があったからですが、ここまででもうお腹いっぱいになってしまったでしょう。このあとも続けると、何を書きたい記事なのかわからなくなってしまうので、今日はことわざの勉強をしたというあたりで止めておきます。