「子どもにテレビをずっと見続けさせるとコミュニケーションがとれない人になってしまう」という話は、テレビでは言いません。
「読書をすると目が悪くなる」と執筆者は言いません。
「ゲームをすると脳に悪影響」とゲームクリエイターは言いません。
「新聞はネットでも読めるんだからとらなくていい」と新聞社は言いません。
どれも自分の業界の首を締めるようなことは絶対に言わないのです。自分の業界のライバルになるようなところの短所は言いますが、自分の業界の短所は言いません。
これが一つのメディアの情報を鵜呑みにしないほうが良い理由です。
さらに、例えば新聞という同じメディアであっても、新聞社によって切り口は様々です。最近で言えば韓国のレーダー照射についても韓国寄りの立場をとる新聞社もあります。その新聞しか見ていないと、日本が悪いことしたのかなとさえ思ってしまいます。でも複数の新聞や他のメディアに目を向けると、だんだん形がはっきりしてきます。
真実を見抜くにはどうすればいいのでしょうか。
褒めても得にならない人が褒めると真実味を帯びます。私が爽健美茶を褒めたところでサントリーから何かを貰えるわけでもありません。そんな私が「爽健美茶は美味しくて好き」と言えば真実に近いということです。
逆に、裏がある発言は怪しいということです。一見、本音でレビューしてそうな家電芸人も実はメーカーから見返りを得ているとしたら、その芸人の発言は一気に胡散臭くなります。
雑誌の「ランキング」も疑ってかかるのが良いでしょう。メーカーから見返りを求めて、ランキングを操作することだってあるかもしれません。
「売り上げランキング」等で、確かなデータ、確かな証拠があるものであれば信頼できます。でも「使いやすさ」などの主観的な要素は鵜呑みにしないのが賢明でしょう。
私は塾業界に身を置いているので、塾のメリットを言っても嘘っぽくなってしまいます。「塾に行くといいぞ。成績が上がるぞ」なんて言ったとしても「そう言うのは塾に来てほしいからでしょ」と突っ込まれてしまいます。
結局、自分の業界の良いところを伝えるためには、誰かに言ってもらう必要があります。見返りがないのに発言したくなるくらいのサービスを提供できれば、それが一番の宣伝になります。つまりは口コミというものですね。
ただ、最近じゃその口コミさえも操作される時代になってしまったので、本当の口コミを探すのもまた一苦労になってしまいました。ネット上の見知らぬ誰かの口コミより、実際の友人知人の口コミが信頼できそうです。
最終的には自分で実際に手にして使ってみたり体験してみたりするるのが一番というところに戻ってきてしまいますね。