昨日の治外法権の話に続き「相手の立場に立つと理解しやすい話」です。
中学生に説明するときに苦戦する「円高ドル安・円安ドル高」について。
「1ドル80円が100円になると、円の価値が低くなるから円安」こう教える人が多いのかも知れません。でも、この説明だとなかなか理解してもらえないんですよね。
今度は、1ドルのハンバーガーを持ち出してきて説明しようとします。
1ドル80円のときはそれを買うのに80円かかるけど、1ドル100円になれば、それを買うのに100円かかるから、円高…?あれ?円安か??となり、結局分からなくなります。
そこで、私からのアドバイスです。
円高か円安かを考えるときは「アメリカ人から見て」という一言を加えてみてください。アメリカ人視点で考えると分かります。
アメリカ人「今度日本に旅行するから、円を買わないとな。どれどれ。たしか去年は1ドル80円だったな。今は1ドル100円。去年は1ドルで(1円玉)コイン80枚買えたけど、今は1ドルでコイン100枚も買える!円、安っ!お得じゃん!」
逆の場合を考えてみましょう。
アメリカ人「去年は1ドル100円だったな。今は1ドル80円。去年は1ドルでコイン100枚買えたけど、今は1ドルで80枚しか買えない。円、高っ!20枚損したわ!」
1ドル80円が1ドル100円になると円安。
1ドル100円が1ドル80円になると円高。
円が安いとか、円が高いというのは誰か。それは円を買おうとしているアメリカ人なんですね。だからアメリカ人視点で考えると良いんです。
逆に、ドル安やドル高は、日本人がドルを買おうとしているときの台詞です。
日本人「今度アメリカ行くから、ドルを買わないとな。どれどれ。たしか去年は1ドル80円だったな。今は1ドル100円。去年は1ドル買うのに80円かかった、今年は1ドル買うのに100円かかる。ドル、高っ!値上がりしてんじゃん!」
1ドル80円が1ドル100円になるとドル高。
逆の場合を考えてみましょう。
日本人「去年は1ドル100円だったな。今は1ドル80円。去年は1ドル買うのに100円かかった、今年は1ドル買うのに80円で済む。ドル、安っ!100円でおつりきた!」
1ドル100円が1ドル80円になるとドル安。
1ドル80円が1ドル100円になると、アメリカ人にとっては円が安くなり、日本人にとってはドルが高くなります。これが円安ドル高。
1ドル100円が1ドル80円になると、アメリカ人にとっては円が高くなり、日本人にとってはドルが安くなります。これが円高ドル安。
どうでしょう。わかりましたかね?賢い人なら、最初の例で「あーもうわかった。みなまで言うな」という感じでしょう。
円安か円高かを知りたければ、たった一言「アメリカ人にとって」をつければ良いのです。
視点を相手側にするのが面倒であれば、ドル安かドル高かで判断すればいいのです。「私達日本人にとって」1ドル100円が1ドル80円になったら「ドル安!」となるので、それはつまり「円高ドル安」です。
円高ドル安というのは、アメリカ人視点と日本人視点から見た言い方を混ぜちゃってるからわかりにくいのですね。日本のニュース番組では日本人視点の「ドル安かドル高か」だけを伝えれてくれればいいんですけどね。
円の価値が高まるという言い方だと、よくわからなくなってしまう人におすすめの考え方です。