治外法権と領事裁判権、説明できますか?

「郷に入っては郷に従え」この諺(ことわざ)を理解してしまうと、治外法権が分からなくなります。

 

日本に来た外国人が「日本の法律は無視しますよ。外国の法律で治めますよ」というのが治外法権。つまり外国人には日本の法律が及ばないのです。

 

例えば、外国人が日本人の家に勝手に入り込んで、お茶碗を持っていったとします。不法侵入と窃盗という犯罪です。でも、その外国人は「私の国では、これは犯罪とは呼びませーん。私には日本の法律は関係ありませーん」と言って、無罪放免になってしまうのです。

 

これを聞くと「なんでだよ!日本で悪さをしたんだから、日本の法律で裁かれろよ!」と思いますよね。「郷に入っては郷に従え!自分から日本に来たんだったら、日本のルールに従えよ!」と。

 

こう思ってしまうのは、自分たち日本人が国際的に「上」であると考えているからです。もしくは上でなくても少なくともその外国人と「同等」であると考えているからです。

 

逆の立場になって考えると、治外法権を主張する外国の気持ちが分かります。

 

あなたがアメリカに行って、犯罪を犯してしまったら、おとなしく罰を受けますよね?それは「アメリカ」だからです。

 

では、あなたが名前も知らない外国に行ったとしましょう。想像しやすいように、熱帯雨林のジャングルのある部族の村に行ったとします。そこで、あなたは女性と握手をしました。挨拶のつもりでしたが、その部族にとっては重犯罪。あなたは部族の男達に縛り上げられ「ここでは女性に触れたら、その腕を切り落とすと法律で決まっている」と言われて、腕に刃を突きつけられたら……。

 

「冗談じゃない!女性と握手しただけで腕を切り落とすなんで狂気の沙汰(さた)だ!こんな法律間違っている!そもそも俺はこの部族の人間じゃない!そんな法律知るわけもない!そんなもので俺を裁くな!」

 

そう主張したくなりますよね?

 

「文明が発達していて、同じような価値観を持っているであろう外国であれば、そこの法律も理解できるが、こんな野蛮で下等な奴らが決めた法律に従いたくはない!」

 

こうなるのではないでしょうか。

 

つまり、当時の日本人は外国人にそう見られていたということです。「下等な日本人の法律で、我々の同胞を裁かせるわけにはいかない」だから治外法権を条約の中に盛り込んできたのです。

 

現代の日本人は「人間は平等」という概念で育ってきているので、「なんでそんな不平等な条約があるんだ!」と理解に苦しむでしょうけれど、世の中を見渡せば不平等がたくさんあるのです。

 

私も、治外法権を習った当時は、なんでそんな不平等な条件を突きつけてくるのか理解していませんでした。「外国人って性格悪いな」くらいに思ってました。でも、ふと、自分が法律もないような部族(たとえば長の感情で罪か否かが決まるような環境下で暮らしている部族)に出会って、そこで裁かれたらと考えたときに、治外法権の意味が分かりました。

 

日本にいるのに日本の法律が適用されないとなると、日本にいる外国人が悪さをしたら、誰がそれを裁くのか。答えは領事です。これが「領事裁判権」ですね。日本にいる領事(外国人)が裁判権を持っていて、その人が裁くということです。

 

ここにもまた問題が生まれます。外国人が犯罪をしても、軽い処罰で終わってしまうことがあります。例えば同じ窃盗をしても、日本人は重く、外国人は軽く処罰されます。なぜこんなことが起こるのでしょうか。

 

これも逆の立場に立って考えてみましょう。自分が領事だったら「何?俺たちの仲間が犯罪をしたって?野蛮な国に来てるだけで大変なんだから、仲間の罪は軽くしてやるよ」と言う気持ちになりませんか?

 

中には「悪いことをしたら絶対に罪はつぐなうべき」と言う人もいるでしょう。でも、たいていは自分の仲間には甘くなってしまうのが人間なんです。身内に甘い対応がまかりとおると、外国人の罰が軽くなってしまうんですね。

 

まとめると、治外法権は「日本の法律には従いません」ということ。じゃあ、外国人の犯罪はどうするのか。それは領事裁判権を持つ領事(日本にいる外国人)が外国の法律で裁くということです。

 

ちょっと難しく言うと、治外法権は立法・司法・行政の三権が外国人には及ばないことを表します。日本にいる外国人に対して、日本の法律ではなく「外国の法律で治める」から治外法権。

 

領事裁判権は司法の部分の話です。治外法権の中に領事裁判権が入っているという図式ですね。

 

これらが分かると「一体、いつ誰がこんな権利を認めた条約を結んだのさ?」「いつそれが撤廃されたんだ?」とか気にってきますよね?

 

今回は「立場を変えて物事を見ると、すんなり理解できることがある」というお話でしたので、ここまで。

 

気になる人は教科書で。



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