それぞれA,B,Cと書かれた3つの箱があります。どれか1つの箱に当たりが入っています。
あなたはAを選びました。
答えを知っている司会者が「では、選ばれなかったBとCのうち、Bを開けてみましょう」と言って開けたら、Bはハズレでした。
当たりはAかCに絞られました。
ここで司会者があなたに言います「このままAで良いですか?Cに変えても良いですよ?」
さあ、あなたならどうしますか。
大半の人が「AかCの2択に絞られたのだから確率は2分の1だ」と言うでしょう。でも実際は違うのです。片方の確率が3分の1で、もう片方は3分の2なんですね。自分で考えてほしいので答えは言いません。
気になる人は「モンティ・ホール問題」で検索してみるといいでしょう。
中学2年生で確率を習う時に次のような話をします。
コインを投げ、オモテか裏かを当てるゲームをしています。
10回中9回投げ終え、なんと全てオモテでした。次が最後の1回です。
それを見ていた観客が言いました。
「10回連続でオモテが出る確率は理論上1024分の1だ。そんなの起こるわけがない。1024分の1023の確率で、残り1回は裏がでるはず」
さあ、あなたならどうしますか。
数学的思考が出来ないと、観客の言うことがもっともに聞こえてしまって、裏に賭けてしまいそうになりますよね。それでも構いませんが、最後の1回でオモテが出る確率も、裏がで出る確率も2分の1です。
オモテか裏か、今投げるコインが出す答えは過去の結果に関係なく、常に2分の1なのです。だって、オモテか裏しかないのですから。
今までの9回を見逃した人に聞いてみるとわかります。これから投げる1回はオモテと裏のどちらがでる確率が高い?「どっちも同じ、2分の1でしょ」と答えるはずです。
「10回の間のどこかで裏が1回でも出る確率」ならだいぶ高くなるのですが、「10回目」と裏がでる場所を限定されてしまうと確率は低くなります。
「オモテ、オモテ、オモテ、……、オモテときて、10回目にオモテ」が出る確率は1024分の1。
「オモテ、オモテ、オモテ、……、オモテときて、10回目に裏」が出る確率も1024分の1なのです。
1回目からの樹形図を書くと1024通りのゴールが出来ますが、それぞれのゴールは一つ一つが1024分の1です。1024個のゴールから逆算してみましょう。それぞれのゴールにたどり着くルートはそれぞれたった1つしかありません。それが1024ルート集まって1になるのです。
9回連続でオモテなら、1回くらい裏が出るだろうというのは、根拠のない浅はかな考えのです。むしろ、現実で9回連続オモテが出ているのなら、そのコインに何か細工してある可能性を疑って、次もオモテ!というのも有りだと思います。
確率はあくまで理論上のものであって「毎回同じ条件で行ったら」という前提がありますが、現実にはそれは不可能です。機械を使ったって、毎回同じ軌道を描くことは出来ません。
こういうことは、確率を勉強してみると分かることです。なんとなくの感覚で賭けてしまうと破滅が待っています。
一番賢いのは、こんな賭け事に乗らないことですね。
どうでしょう?この話を聞いて、確率を勉強したくなりましたか。それとも勉強したくなくなりましたか。
この話を面白いと感じて、前のめりになるような子であれば、今後数学がさらに好きになるでしょう。
勉強したくなくなったと言われても、2年生の3学期に学びます。そして入試に1問出ます。その確率は90%以上です!
これはもう学ぶしかありませんね。