「解き直しをしなさい」
この一言で、それができる中学生はどれくらいいるのでしょうか。
スマホが生活に浸透して、写真や動画がより身近なものになりました。9ヶ月になる娘の写真や動画は日に日に増えていきます。一つ数十秒の動画をすべて並べて一つの動画にしてみたら、10時間を超える大作になりました。もう少しで1クールのTVドラマを作れそうです。
この前購入した逆ぶら下がり健康器のレビューには「説明書がないため、組み立てが大変だった」と書かれていました。楽観的な私は説明書がなくても組み立てられるだろうと、レビューを気にせずに購入しました。届いたダンボールの中には説明書が入っていました。あのレビューを書いた人のものだけ、たまたま説明書が抜けてしまったのかもしれません。レビューは参考程度にするのが良さそうです。
そしていざ組み立てる時、私は説明書を見ませんでした。代わりに見たのが、ネット上にアップされている組立手順の説明動画です。実はこの存在を知っていたので、説明書はなくても大丈夫だろうと高を括(くく)って購入したわけです。
仕事をする上でもたくさんのマニュアルが存在しますが、画像を切り貼りしただけのものが多いので、画像と画像の間を想像で補完しないといけません。マニュアルには「ここをクリックしたら次の画像のようになります」と書いてあり、次の画面の画像が貼られています。言葉だけよりだいぶ親切ですが、その分ページ数も増え、かさばります。それが動画に変わると、数秒で説明が終わります。
自転車の乗り方や泳ぎ方の本があっても、画像だけでは内容を掴みにくいものです。それが動画だとすぐ掴めます。
その分、想像力を失ったのかもしれませんが、動画の恩恵はそれ以上にあると思います。
わかりやすさで並べれば
動画>>静止画>>>>文字
といったところでしょう。
中学生が解答解説を読まない理由もここにあると思います。文字だけの解説は読み解くだけで一苦労なのです。だから、解説を読まずに、解き方を教えてくれる先生に頼るのです。そんなわけで先生の需要はなくならず、塾の存在意義もかろうじて保たれるのです。もし全てのテキストやテストに完璧な解説動画がついていたら、塾に来る生徒は減るでしょう。その動画すら見ない生徒、動画を理解できない生徒が塾に来るようになり、未来の塾は現在の塾とはすこし毛色の違うものになると思います。
私は、先生に頼る学生を嘆いているのではありません。「解き直しをしなさい」と言うだけで、解答解説を理解させる工夫をしない大人を嘆いているのです。スマホが浸透したことで廃業に追いやられる業界は多数ありますが、塾業界もその一つでしょう。今まで同様「解き直しをしなさい」というだけの塾講師は淘汰されていく運命です。
私もいろいろ戦略を練って、手を打っていかないといけないですね。
以上、娘の動画編集中に考えたことでした。