何気ない親子の仕草が、私の心の琴線に触れました。
「明日の部活の大会、応援に行かれるんですか」と私が尋ねたときのことです。
「いやあ、行けないんですよ。本当は行きたいんですけどねえ」
そう言って、我が子の頬を撫(な)でる様に手を伸ばしました。
中学3年生の男の子はもちろん、その手を避けようとします。
もう幼い子どもじゃないんだからと言わんばかりに、上半身をひねり、伸びてきた手から逃れようとします。
「いつか応援に行ける日が来るかもしれないから、その日まで勝ち進まないとね」と私は生徒に言って、送り出しました。
大人には子を育てる役目があり、仕事もあります。
我が子を応援しに行きたいけれど、行けないことの方が多いでしょう。
それでも応援する気持ちは人一倍強いのが親というものです。
今日の帰り際の何気ないやりとりを見て、愛情深さを感じました。
幸いなことに、塾に通う子はたいてい愛されて育っています。
親は子の成績に関心を持って、学力をあげようと塾を探して、塾に入れてくれます。
そんな大事な子を預かっているということを再認識させていただきました。
私もそのような親になれるように頑張ります。